短編

□我らが隊長は
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リンドウがアナグラに戻ってきた――半分アラガミのまま。



「隊長……う、腕……」

「ん?ああ、アラガミ化ってやつだな。…どうした?そんなしょんぼりして」

「あ、いや……」

「あ、わかったぞ!…俺に撫でられないのが悲しいんだろ」

「反対の手があるじゃないですか、それに撫でてもらわなくて結構だから」

「反抗期か?俺に対して反抗期なのか?」

「う……うっさい」



相変わらず自意識過剰な部分は昔っから変わってなくて。
見てない所で口角を上げた。



「ほら、サクヤさんの所、行った方がいいんじゃないですか?」

「後で、な」

「何故に手を回す」

「俺的には可愛い可愛い部下をおちょくってから行くな」

「可愛くないから」

「ふーん?俺が居ない間、何回も名前呼んでたって聞いたけどな」

「…!だ、誰から?」

「内緒、だな」



俺とそいつの秘密 と言って笑う隊長につられて笑う。



「もうわかってますよ」

「あーぁ、そいつが可哀想だ」

「本当に、可哀想ですね」



"キミ"がまだこの世に残ってたら私、しばき倒すよ?



「さぁて、デートにでも行くか」

「サクヤさん可哀想」

「バーカ、連れて行くさ」



微笑む隊長は優しさだけは昔から変わっていた。



「翔も行くか?」









――――

ちなみに"キミ"…もといリンドウの言うそいつってのは誰だかわかりました?

中性的な"あの子"です



せな

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