大空が

□8
1ページ/2ページ


三人は屋上に向かって歩いていた。
ツナはどさくさに紛れて京子と手を繋いだのでご機嫌で、黒川は黒川で感心していた。

「それにしても沢田、あんたきっぱり言ったわね」

「ん?そうかな?」

ツナは京子と手を繋いだままにへらっと笑った。どうやら、指摘されるまで離す気がないようだ。

「そうよ。まさかあんたがあんな風にいうとは思わなかったわ。まぁ、姫川の驚いた顔は面白かったけど」

黒川はクスリっと笑う。
すると、京子がにっこり微笑み言った。

「ツナ君!!ありがとう。とっても格好良かったよ」

「き、京子ちゃん!!」

京子の言葉にツナは小さくガッツポーズをし、頬を少し染めた。

ツナは幸せをかみしめる。そして、京子とラブラブランチタイムという新たな幸せをゲットするために屋上へと進む。

しかし、その幸せを邪魔する輩が現れた。

「10代目ェ!!ま、待って下さい!!」

「ツナ!!待ってくれ」

獄寺と山本だ。
どうやら、追いかけて来たらしい。ちなみに、姫川は置いてきたようで居なかった。
ツナの額に青筋が浮かぶ。

「何かな?二人とも(来るんじゃねぇよ!!京子ちゃんとの時間が減るだろうがッ!!)」

ツナの言葉に二人は俯いた。なんか長くなりそうな雰囲気がする。


「京子ちゃん、黒川悪いけど先に行っててくれる?」

ツナはため息をつくと、京子と黒川に言った。二人は頷くと屋上へと向かった。





二人が行くと、ツナは腕を組んで二人を見据えた。
しばらくすると二人の内一人、山本が口を開いた。

「ツナは、ツナは、笹川のこと信じてるのか?」

「うん。当たり前だろ!!(当たり前のこと聞いてんじゃねぇよ!!)」

ツナが言うと、獄寺はバッと顔をあげた。そして、懇願するかのような瞳をツナに向ける。

「な、なんでですか!!笹川は、笹川は10代目に好意的に想われてるくせに裏切ったんですよ!!」

「そうなのな」

ツナは眉を寄せた。そして、頭をガシガシとかく。
どうやら、この駄犬と野球馬鹿は姫川を苛めたからっと言うよりもツナを裏切ったから制裁してるようだ。

「裏切った?」

しかし、二人が思ってるのは、京子が姫川を苛めた……どこが裏切りに入るのか分からないのだ。
ツナが首を傾げると二人は顔を見合わせ、ある写真をツナに見せた。

「こ、これは?」

ツナは目を見開いた。それは、京子らしき人物がオッサンと腕を組みホテル街を歩いてる写真だったのだ。

「笹川が姫川を苛めた次の日に教室に落ちてたのを拾いました」

ツナはじっと写真を眺める。そして、何かに気付いたのかにやりと笑う。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ