☆星のカービィWii bkver☆

□-サイゴノタタカイ-
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「グォォォオォ!!」
さらに、マホロアの体が巨大化する。とうに、5m以上は、あるだろう。
両目は、顔についているのだが、
口の中が第三の目となっている。
顔の原型はなくなり、徐々にクラウンに蝕まれていった。
頭の上の邪悪な王冠がギラギラと輝きだす。
「スパークアロー!!」
カービィがすかさず、攻撃を仕掛けるが、すぐに弾き飛ばされてしまった。
「うわっっ!!」
攻撃の威力がさっきとは、ケタ外れだ。マホロアは、片手を押さえて、魔力を溜めるとカービィに向かって、光線を放った。
ズドドドドドン!!!
周囲に煙が立ち込める。
「……ぐっ……」
カービィは、なんとか立とうとするが、たった今できた生傷がそれを邪魔した。
「グォォォ!!」
邪悪な魔術師の手がカービィに迫る。体が宙に浮くのがわかった。
マホロアがカービィを握り潰そうとしているのだ。
「……ぐぅっ……」
「グォォォォオ!!」
「…マホ…ロ…ア……目を…覚まし…………うぐっ…うぅ……」
口から血が滴り、
歯を食いしばる力が強まる。


苦しいよ………苦しいよ……
マホロア………ぼくの声は、もう
届かないの……?
その時だった。
「………っ!?」




(助ケテ………助ケテ……)

微かにきこえた。
心の中の声……。
カービィには、はっきりと分かった。まだ、マホロアの意思があるのだと……。
彼は、助けを求めているのだと…。辛い思いをたくさんしてきて、それを全部隠し続けてきた彼のことを……。
救ってあげたいー。

「…ねぇ…マホロア……覚え…てる…?…ぐっ……あの日の……約束……」




「あーもぅ!また、負けたぁ…」
「ボクの大勝利だネェ!!」
マホロアは、ニコニコと笑いかけるとまた、画面に向き直った。
「マホロア〜ちょっとは、手加減してよぉ!」
カービィが負けるのも、無理は、
ない。だって、このゲームは、元々マホロアが作ったものだ。
「カービィは、ホ〜ント
コイン集めがヘタだネ!」
「そこまで、言うかー!!
しかも、率直に!」
「でも、とっテモ楽しかったヨ!
また、一緒にチャレンジモードやろうネ!」
はぁ〜とため息をつけば、マホロアは、満面の笑みでこちらを向く。それに、つられてぼくもつい、笑ってしまう。
「ネェカービィ!」
「へっ?何??」カービィは、不思議そうな顔をして顔を覗き込むとマホロアが、少し照れた口調で
言った。

「その…………これからもずっと、トモダチでいてネ!!」
少しの合間があき、
カービィはくすりと笑った。
「もちろん!」

約束だヨォ?

ずーっと。ずっと。トモダチでいようネ。




ずーっと。ずっと。




「あの日の約束…忘れたわけじゃないよね……それにぼくは、まだ
あのゲームに勝ってないから!」

カービィが笑いかけると、
いつの間にか第三の目からは、
涙が溢れ出していた。

(…カービィ…お願イ…ボクを……止メ……テ………)


「うおぉぉおぉぉ!!!」
カービィの体が、目が眩むほどの光に包まれる。
「ギャラクシアサンダーボルト!!」
バチィィィィィィ!!!
ドドドドドン!!!
たいせいを崩したマホロアが、
カービィから、手を離した。
「はぁ……はぁ…」
なんとかマホロアの手から、逃れたカービィだったが、体力が限界に達していた。
「もぅ…体力が……」
マホロアは、カービィに向かって
剣を振り上げた。


すると、彼の名を呼ぶ声が…
「カービィ!!」
カービィは、その声の主を目線で辿っていくと、涙が溢れ出した。
そこには、ボロボロになったワドルディ、メタナイト、デデデ大王の姿があった。
「みんな……!!」
「泣いている暇は、ない!!
受け取れー!!」
「カービィさん!受け取ってください!!」
メタナイトとワドルディが2つのアイテムを同時に投げると、最後にデデデ大王が、ハンマーでかっ飛ばした。
「みんなの気持ちを受け取るゾイ!!てやーーっっ!!」
バコーーーン!!
打撃を受けたアイテムたちが、
カービィ目がけて、飛んでくる。
「あれは!!マキシマムトマト
と、ウルトラソード!!」
カービィは、すぐさまそれを吸い込んだ。
ズゴォォォォ!!
ゴクンッ!!
力がみなぎってくる!!
疲れが一気にぶっ飛んだ。
カービィの体が、かつてないくらいの輝きを放つ。
「ウルトラソードカービィ!!」
カキンッ!!
マホロアくらいの大きさの剣で、
ガードし、一気に振り下ろした。
「ていやぁぁあ!!」
カンッ!!!
マホロアの剣が折れると同時に
鈍い金属音が、鼓膜を振動させた。
「マホロア!!必ずボクは、
きみを救ってみせる!!!」
カービィは、剣に一点を集中させた。「はぁぁぁぁあ!!」
シュイーーーン!!
「ウルトラソードビーム!!!」
「グォォォォオオン!!」

ドカーーーーーーーン!!!!!








爆風が晴れるとそこには、
クラウンが取れて、倒れたマホロアの姿があった。

「マホロア………!!」
カービィが急いで駆けつけると、
マホロアは、伏せた顔を前に向けた。「カっ…カービィ……」
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