リリカルなのは スクライア
□第一話スクライアの少年
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「あぁー発掘かったりぃ」
俺はセロ・スクライア。スクライアは部族名だからセロが名前だ。
にしても、発掘面倒いなぁ。
まぁ、仕事だしうちは基本そう言う部族だし一応頑張るかぁ。
とは言え俺に捜索系統の魔法は得意ではない。
本来、俺達スクライアは遺跡発掘がメインの一族なのだがどう言う訳だが、俺には才能がない。
『まぁ、マスターは魔力高いのに、なんで、できないでしょうか?』
「うるさいぞ。ブレイブ、気にしてるんだから」
俺の首にかかっている緑の宝石型のインテリジェントデバイス”ブレイブハート”が皮肉交じり口調で言った。
一応、かのエースオブエース”高町なのは”さんのデバイス”レイジングハート”と兄弟機らしがどう言う訳だが相性が悪く、とつてもなく仲が悪い。
前に珍しくあたりの遺跡をあったので前の持ち主であるユーノさんに特定を依頼した時にたまたま同席していたなのはさんと遭遇して話をしている間延々と喧嘩していた。
『まぁ、このあたりはなさそうですし、大丈夫でしょう』
「そうか。なら、奥、行くか」
基本サーチが苦手な俺達はブレイブの判断に従っている。
「何だ? これ……?」
俺達は奥の部屋に来て絶句してた。
そこには片手剣タイプの刀と壊れた弓、斧、大剣、レイピア、槍、短剣の計7本が床に突き刺さり、そして俺達と同い年くらいの少女が水晶の中にそれに囲まれる形に入っていった。
『どうします? マスター?』
俺達は目の前の少女の近くまで歩いて行った。
ビー! ビー!
《適合者を確認! アンチユニットデバイスT・ルシファー及びアンチユニット[・リリス・レイスを起動》
俺達が少女の前まで来ると何かアナウンスがなった。
そんで、何か光った!?
「くっ!」
『マスター、何ですか? その手に持っている物は?』
「うぇ! 何で俺の手に!?」
いつの間にかさっきまでささっていた剣が手に握られていた。
『お前が俺の新しい適合者か』
「喋った!」
喋った! つまり、こいつもデバイスなのか?
何か、アンチユニットデバイスTとかアナウンス流れてたし。
カラン!
『落とすなぁ!』
俺が手を滑らして落とすと剣……確か、ルシファーだっけ? でかい声で怒鳴った。
「えっ、あぁ、悪い」
俺は慌て拾い上げた。
『ったく、気をつけるよ。小僧!』
何か、この剣偉そうだな。
剣(デバイス)のくせに。
『ところで、小僧、お前達の名前は?』
「セロ・スクライア」
『ブレイブハートです』
『それにしても俺以外は全員機能停止か』
ルシファーは他の壊れたデバイスを見てさみしそうな声を上げた。
「ブレイブ」
『yes,Master』
俺は破損したデバイスを封印しブレイブに収容した。
『なにをする!』
「デバイスに詳しい人が居るからな。見せてもらおうとかと思ってな」
『多分、彼女ならどうにかできると思います』
『そうか。なら、頼む』
ルシファーはしぶしぶと納得した。
そう言えば、少女の方は……
ピキピキ! パリーン!
俺が視線を移すと包んでいた水晶が砕けた。
ベチ!
そして、落ちた。しかも頭から!
「うっ、うにゅう、ここは?」
少女は頭をさすりながら起き上った。
赤い髪に黄色い瞳、よく見ると見ればかなり綺麗な子だな。
って、今はそんな事を考えてる場合じゃないな。
「おい、大丈夫か?」
「なんとか。と言うか、近くにいたなら受け止めて欲しかった」
「えっ、あぁ、ごめん」
彼女の言葉に俺は思いきり視線をそらした。
まぁ、そうだよなぁ。
「ところで、貴方達は?」
『私はブレイブハートです。こっちは私のマスターは……』
「セロ・スクライア。君は?」
何て言うか切り替えの早い子だな。
「リリス・レイス。……私って何者なんでしょう?」
「『はぁ!?』」
いや、俺が知る訳ないからって?
ってか、これって記憶喪失って奴?
やっぱ、ちゃんと受け止めておけばよかった。
『記憶が不完全な状態で覚醒したか。俺はルシファーだ。久しぶりだな』
「ルシファー? 私達知り合いなの?」
『あぁ、昔からの友人だ』
ルシファーは一人納得し、リリスに声をかけた。
何て言うか、俺らと話した時より優しく口調ない?
「取り敢えず、ここを出よ」
「うん」
俺が手を指しのばすとリリスは手を掴んだ。
何て言うか柔らかいな。
『マスター、顔が赤いですよ』
『照れているのな。小僧』
「うっ、うるさいなぁ」
うん、まぁ、図星なんだけどな。
ドーン!
『ガォォォン!』
そんな事を考えていると壁を突き破りヒョウ見たなロボットが出て来た。
キコカ!
何か人型に変形した。
『ガォォォン!』
変形したロボットはレーザーをリリスに向けて撃って来た。
「ブレイブ! プロテクション」
『駄目です。間に合いません』
俺は速攻でプロテクションを展開しようとしたが完全に向こうの方が速い。
「フィールド・オン!」
リリスが手をかざすと光線がロボットに戻り、
ドーン!
破壊した。
「今のは? リリス、一体何を!?」
「ふぇ、私何かした?」
俺が尋ねるとリリスは不思議そうな顔をした。
覚えてないのか?
その答えを聞いたルシファー「なるほど、無意識に力を行使したのか」と納得していた。
さっきの奴の仲間いるのか、わらないしここから早く出た方がいいな。
「早く出よ」
「うん」
俺はリリスの手を引いて走り出した。