リリカルなのは スクライア

□第七話 野心家・T
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 ミッドチルダ・地下道

 そこには、タンクが変形した足はキャタピラ、肩には大砲、手はマジックハンドの様になっている横にも縦にも長いロボットが複数立っていた。

「どうやら、ストームの奴は負けて、撤退したみたいだな。まぁ、奴はお前が地下に潜りこませるための囮だから、構いはしないがな!」

 その中でも一周りから、二周り位大きい機体へトーラーは通信の入れる。

「だから、しくじるなよぉ! ブレストォ!」

「はっは、このブレストにお任せ下さいなんだなぁ」

 ブレストと呼ばれた機体はトーラーの言葉に胸を叩きながら答える。

「そうか。なら、頑張ってくれよ」
 その答えに満足したのかトーラーはそう告げると通信をプツンと切る。

「あめんぼ、青いな。あいうえお! よし、通信がきれいるんだな」

 ブレストは通信切れているをの確認する。

「ふん、トーラーめ! いい気なれるのも今のうちなんだな!」

 いつの日か、ぶっ潰して、僕がメネシスの中核になってやるんだな!

 キコカ!

「じゃあ、お前達! しゅーーーーっぱつなんだな!」

 変形したブレストは量産機を引き連れて行動を開始する。

 自らの野心を胸の内に秘め。

 同時時刻――ミッドチルダ時空管理局・食堂

 時空管理局執務官・ティアナ・ランスターは、目の前の少年に苛立っていた。

 彼は、数日前に新しくきた補佐官で、コミュニケーションをとるために、連れ来たのはいいのだが、食堂につくなり、サンドイッチを片手にI pad的な端末で、作業を開始していた。

 正直、あまりと言うか思いっきり行儀がよくない。

「ちょっと、デミル!」

「……」

 注意しようと声をかけるが反応がない。

 と言うか、完全に作業に集中しているようだ。

「デミル! デミル・オズマ執務補佐官っ!!」

 ティアナは先程よりも大きな声で声をかけた。

「はっ、はい! なんでしょうか? ランスター執務官!」

 デミルは、目を丸くして端末を置きティアナの方へと向きかえる。

 その要旨(ようし)は、首のあたりまで伸びた銀髪。
 緑と淡いピンク色のオッドアイ。
 比較的に整った中性的な顔立ちに、体つきをしていた。
 そのため、ぱっと見に美少女に見間違えてします。

「あなたねぇ。食事中くらいは、仕事の手を止めなさいよ」

「はぁ、まぁ、僕もそうはしたいのですが、これ引き継ぎ作業なですが……」

 ティアナの言葉に対して、デミルは目線をそらしながら、答える。

 その瞬間両者の間に気まずい空気が流れた。

「前任者を、悪く言う気はありませんが、事件中に捕まったから、彼女の書類も僕に周ってきているんですよ」

 デミルは肩を落としながら、告げてサンドイッチを口へと運ぶ。

 ゴクリとサンドイッチを飲み込んでから「だから、昨日もあまり寝てないんですよね」と一言だけ、付け加える。

 言うまでもないが、ティアナの前補佐官であるルネッサ・マグネスは、先のマリアージュ事件の主犯であり、事件中に確保されている。
 そのため、事後処理の書類が公認である彼に周ってきている。

「だとしても、さすがねに食事中は行儀は悪いでしょ」

「ですね。今は作業は中断……あっ、エラー」

 ティアナの言葉に同意してデミルは、中断しようしたが、端末の画面にエラーの文字が表示されいた。

 その瞬間、二人とも苦笑い浮かべる。

「まぁ、バックアップは自室のあります。そこから、やりなおしますか」

 デミルは天井を見上げならが乾いた笑顔を浮かべていた。

 多分、本人がそう言っているのだから、恐らくそうなのだろう。

 そうである事を願おう!

「なんか、ナレーションがネガティブなってるわよ!」

「失礼ですね。ちゃんとってありますよっ!!」

 二人ともみごとにツッコンだ!

 しかも、ナレーションに!!

 まぁ、まわりに聞こえてませんが……

 二人とも頭を抱えながら椅子に座った。

「ところで、貴方は私の所に来たの?」 

 ティアナは話題を変えるためにデミルが何故自分の下についたのかを尋ねた。

「さぁ、もともと、補佐官は僕の目的でしたが、ランスター執務官の下に配属されたのは上層部からの指示ですね」

 デミルはあたりさわりもない答えで返した。

「まぁ、もっとも、有能で、とても魅力的な方の下に付けた分、僕は運が良かったのでしょう」

 と、一言だけ付け加えるとサンドウィッチの最後の一個をたいらげる。

 ティアナは彼の言葉に顔を赤くする。

「えっと、何か……僕、変な事言いましたか」

「いや、まぁ、何と言うか。ちょっと照れくさくって……」

 まぁ、褒めた本人に自覚がなかろうとあろうと、面と向かって褒められるのは、褒められた側から見れば、照れくさいものである。

「はぁ、そうですか。とこで、執務官に後に立たれている女性はどちら様でしょうか?」

 デミルはそう言って、ティアナの背後を指さす。

「えっ! 後!?……」

 ティアナは後を振りむきそして固まった。

 そこにはパスタが……では、なく大量のパスタ盛られてた皿を持った局員が立っていた。
 しかも、パスタのが邪魔で顔が見えず、着ている制服と体格でなんとか女性だと判別できる。

 ティアナは、それが誰なのかすぐに追い浮かんだ。
 と言うより、単に彼女の知り合いで、女性でこれだけの量を数が限られる。
 もとより、それが長年ともに行動した元相棒ならば、速攻でわかる。

「スバル、あんたなにしているの?」

 ティアナは半ば呆れた口調で声をかける。

「いや、聞き覚えのあるから来て見たんだけど、何か話てる見たいだったから、終わるまで待った方いいかなって」

 スバルはおそらくいつも通りの笑顔で答えているのだろうが、パスタによって見えない。

 と言うより、むしろパスタと話てるようにしか見えない。

「取り敢えず、座ったら?」

「えっ、いいの?」

 ティアナの言葉にスバルはデミルの方へ視線を向ける。

「あっ、僕はランスター執務官がよければ、構いませんよ」

「それじゃ、お言葉に甘えて」

 デミルの答えを聞いたスバルはパスタが盛られた皿をテーブルに置き椅子に座る。

「話を戻しますが、この方はどちら様でしょうか?」

 デミルはパスタをおいしそうに食べているスバルを指しながら尋ねる。

「彼女はスバル・ナカジマ防災士長。六課時代の私の相棒よ」

「あぁ、噂に聞くシルバーのエースですか。お話はかねがねと聞いています」

 ティアナの答えを聞いたデミルは軽くスバルに会釈する。

「私も聞きたかったんだけど、ティア、この娘(こ)は?」

 スバルの言葉を聞いた瞬間、デミルは固まった。

「この子は、デミル・オズマ。ルネの後任の私の補佐官。あと、れっきとしおと……」

 ビュン!

 ティアナが訂正しようとした瞬間、スバルと彼女の間を斧らしきが飛んでいった。

 次の瞬間、デミルが立ちあがり……

「僕は男だぁぁぁぁぁ!」

 ――――叫んだ。

 その声色には完全に怒気に包まれていた。

「どうして、会う人、会う人、こう言う勘違いするんだ。あまつさへ、士官学校時代は、何か告白やら、ラブレターは送りつけて来る奴はいるし、男だと言って諦めてくれるなまだ良い! 中には「それでもいい付き合ってくれ」と言う奴はいるし、こっちはそんな気がないと言うのに、しかも、僕の着替えや訓練着がなくってるし時もあった。もう、ほんとあそこ、法的機関の訓練生を育てる所?」

 人には触れて欲しくない禁句や、思い出しくないトラウマがある。

 彼の場合は女性に勘違いされると言うものなのだろう。

 ミッドチルダ時空管理局・地下駐車所

 ドーン!

「なんだなぁ!」

 床を撃ち破って、ブレストは駐車場へとはい上がる。

「ここが時空管理局か。ふむ、ここの技術を一通り吸収して、トーラーを蹴散らして僕が中核になって、有機生命体になるのも目じゃないんだなぁ!」

 ブレストはあたりを見回しながら、わりと大きな声で自分の野望を口にする。

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