〜Long〜

□CLONE
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ある日の午後、海賊、麦わらの一味はいつも通りほのぼのとした一日を過ごしていた。

剣士は筋トレに励み

航海士はパラソルでくつろぎ

狙撃手は釣りを楽しみ

料理人はキッチンで晩御飯を準備し

船医は甲板で薬草を干し

考古学者はパラソルで読書

船大工は船を点検し

音楽家はバイオリンで音楽を奏でる



そして、この海賊船の船長、麦わらのルフィは海の向こうを眺めてにっこり笑う。その黒い瞳には緑が映った。すううっと息を吸い込み腹に空気を溜める。
「島が見えたぞおおお!!」


船長の楽しそうな声に反応は呆れたり目を輝かせたりなど様々だったが、皆が注目した。


「ナミ!島だ!島!!」
「うっさいわね。聞こえてるわよ。」
「冒険しよう!!冒険!!」

ルフィの声に航海士、ナミが溜め息を吐きながら立ち上がり、ルフィの元まで歩いていく。そして…



ゴンっ!!


「いっでえええええええ!!?」
「あのね。そう易々と上陸するものじゃないって何度言ったらわかるの?!ログはあの島を指してない…え?嘘でしょ!!?」

ナミの驚愕の声に狙撃手や船医、船大工が集まった。

「どうしたんだナミ?」
「ログが…さっきまでまっすぐ指してたのに…あの島を指してるのよ…。」

狙撃手、ウソップにそう返事をしながらも目はログポースから離さなかった。

「あの島を指してたんじゃねぇのか?」
「あの島が次の目的地じゃないのか?」

船大工のフランキーと船医チョッパーの言葉に首を横に振った。

「いいえ。あの島の方角とは指してた方角が違うもの。」
「なら、もしかしたらあそこの島の磁気が強すぎたのかもしれないわね。それでログが変わってしまった、とは考えられないかしら?」

読んでいた本を閉じて考古学者、ロビンが推測すると、ナミは顎に手をやって考え込む。

「でも、島に近づいただけでログが変わっちゃうなんて…なおさらあの島に行くのが危険な気がする…」

ナミの言葉にウソップとチョッパーがひぃぃ!と震えあがった。

「冒険だナミ!冒険!ログが指してるんだから冒険しろって事だ!!」
「あんたは黙ってて」

船長に対する言葉とは思えないことを吐き捨てながら、これからどうするか思案する。
その時だった。剣士の声が響いたのは。

「お前等!静かにしろ!!」

緊迫した剣士の声に、全員が黙り込む。そんな中、ロビンも何かに気付いた様子だった。

「ちょっとゾロ、一体なんなの??」

やがて刀を抜きながらこちらに向かってくる剣士、ゾロにナミが声を掛けるが、ゾロは辺りに神経を研ぎ澄ましていてナミに返事は返さなかった。

「ゾロ?」
「…何かいやがる。」

ルフィの声に短く答え、また気配を探る。ロビンも腕をクロスさせて周辺を見ているようだった。
そんな中コロコロと転がってくるボールがあった。自然とそのボールに目が行く。

「…?」

やがてチョッパーが居る位置までそのボールは転がってきた…

「!!?みんな離れろ!!!」

そのボールが真っ白に光だして破裂しガスが舞う。そのガスを吸った仲間たちが倒れていく。

「ぐっ!ルフィ!ナミ!ウソップ!チョッパー!フランキー!」

ゾロが間一髪でそのボールから離れたが、他の5人はそうはいかなかったらしい。

「何事ですか!!?私ビックリしすぎて目玉飛び出ちゃうかと思いましたよ!!?…あ、私、飛び出る目、無いんですけど。ヨホホホホ!!」
「ンなことやってる場合じゃねえんだよ!!」
「っ!ガスが!」

音に驚いてやってきた音楽家、ブルックにゾロがツッコミを入れているとロビンの言った通りガスが三人にまで迫っていた。

「!?しまっ……」

最後まで言葉が続かず、ゾロが倒れ、遅れてロビンが倒れた。

「え?!ななな、何事ですか!?みなさ…ん…」

ガスがブルックまで到達し、骸骨の身体が倒れた。
それと同時にキッチンのドアが開いた。

「うるせぇな〜。一体何騒いで…?何だこりゃ?」

キッチンの中から出てきた料理人は、甲板に広がる光景に目を見開いた。

「ナミさん!?ロビンちゃん!!」

自分以外の仲間が皆倒れている。
それからあたりに充満するガスを目に入れて慌ててキッチンのドアを閉めた。

「ゲホッ!ケホッ…くそ、ちと吸っちまったか…」

そのままずるずると座り込みながら人の気配を感じていた。
しかし確認したいが目がかすんでいく。

―――くそ!ほんの少ししか吸ってねえのに…

足音がすぐ背後まで聞こえる。どうやら乗り込んできていたらしい。視界に入るのは今作り途中のシチューの鍋。
あとはぐつぐつ煮込むだけだったのに、と料理人は心中で舌打ちをした。その間にも視界が狭まっていく。
寄りかかるドアが動いた気がした。次の瞬間には体が吹っ飛ばされた。どうやらドアを力ずくで開けたらしい。
外から侵入者が入ってきた。

―――くそ…や、ろ…

最後に視界に入ったのはたくさんの真っ白な靴だった。
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