ふたつの世界

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銀色の細い腕輪。

宝石の入りそうな穴が10個あいていて、一つには黄色の宝石がはまっている。

……わたし、こんなの知らないんですけど!!


「ろ、ロー!!これなに!?」

「……能力者には腕輪が現れ、その願いが叶うごとに満ちていく。……つまり、願いが叶ったから石がはまったんだな。」


へぇ…!!

黄色…ってことは、オムライスの色?

最強の能力のひとつめ、オムライスのためにつかっちゃったよ!!


「残り9個の穴があるってことは…。あの9個の願いが叶えられるってことか。」

「9個も!?どうしよっかなぁ…」

「無駄なことに使うなよ。おそらくそれは最強の能力だ。もったいないことをするな」

「……はぁい」


……使いたかったなぁ、能力。

たとえば、ボンキュッボンのナイスバディーになりたい!とか、ローが変態じゃなくなりますように!とか!!


『……その願い、叶えますか?』

「……ん?ペンギン、なんか喋った?」

「いや、喋っていない。」

「じゃシャチ?」

「俺も喋ってねぇよ!!」

「…ロー…??」

「……違う。」


……ま さ か ☆


『わたくしが喋りました』

「……ぎゃあぁぁああぁ!!腕輪が喋ったぁぁ!!」
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