ふたつの世界
□15*
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「ちょっと、起きてよ!」
寝ていると、なまえから体を思いっきりゆすられた。
当然起きたが、俺は無言を貫く。
「おなかすいたー……」
そうなまえが呟いたとたん。
ぐぅうぅぅぅ〜〜…
今まで聞いた中でも最高にでかい、腹の虫の声が聞こえた。
「……ククッ」
「っ!!……お、起きてたの!?」
「でけぇ腹の虫だな。」
「だって朝も食べてないし…。」
恥ずかしそうに顔をうつむかせるなまえ。
……食堂につれてってやるか。
「……食堂でも行くか。」
「ホント!?やったぁ♪」
俺のその一言に嬉しそうに顔を綻ばせて、なまえは飛び起きた。
「はやくー!」
「……」
勢いよく部屋を飛び出すなまえについていけば、食堂からはまったく遠い場所へとドンドン進んでいく。
……方向音痴か?
おもしれェ。
「ここは、どこでしょう…」
「洗濯場だ」