カルトレディと鉄の処女
□カルトレディと怪現象
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桜が殆ど散ってしまった頃。もう大分日中は暖かくなっていた。
桜は散ってもまだ春で、春眠暁を覚えずというもので、早い話が眠い。
ぽかぽかと暖かい昼下がり。俺はサークルの部室で壁に寄りかかって昼寝をしていた。
部室って便利だと思う。休憩所や食堂なんかより全然ゆっくり出来るし。オカルトサークルは部員少ないから尚更いい。今は誰もいないし、貸切状態。
日が差し込む窓辺で、ゆっくりとした時間が…
「…あれ…なにこれ…。」
落ち着いた昼休みが…。
「つうか硬い…こう…こうかな?」
…。
なにやら足元から聞こえてくる。
つうかズボン引っ張られてるような…。
「…ぅぉおおおおい!!」
「きゃっ。」
目を覚まして、焦って目の前の人をどけた。
起きて視界に入ったのは、オカルトサークルの先輩。
「わ…ワカさん何してんスか!!」
若戸さん。最近はワカさんと呼んでいる。
ワカさんはオカルトサークルに所属する美女。かなり美女。凄い可愛いけど、要注意人物。
なぜならこの人は“拷問具”が好きという危険な趣味を持っている。その上積極的。
オカルトサークルに入った初日、俺はこの先輩に目を付けられた。
どうも、俺はこの人のタイプらしい。
それは、恋人にしたいと言うタイプではない。
“拷問に掛けたい理想の体”らしい。
後日、拷問に掛けられそうになったところを生野さんという別の先輩に助けられた。
でも、いかんせんこの人諦めが悪い。
まだ俺(を拷問に掛ける事)を諦めていないらしい。