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□戦パラ 小説
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相談D
「じゃワシ子、頼んだよ。」
家康の愛鷹、ワシ子は手紙を足につけ、三成の元へ飛び立った。
「さて…。いろいろ訳有りのようだけど、どうしようか。」
家康の質問に、皆は考え込む。
「…ねぇ、家康さん。西軍への文には何て書いたの?」
「あぁ、『小西行長という名に心当たりはあるか、彼は今この町にいる、だがくれぐれも宇喜多には言うな。』…というところかな。」
「…ここから先は、西の奴らに任せた方がいいんじゃねぇのかな。その薬屋、宇喜多に関係あるみたいだし。」
「…いや、それはダメだ。」
政宗の提案に、清正が反論する。
「どうしてだい、清正。」
家康の問いに、清正は少し間を置いて答える。
「今考えられる最良の方法は、奴を少しでも長く引き留めておくことだ。……奴は…行長は、三成や吉継と仲がよかった。…裏を返せば、三成や吉継ではその情につけこまれて逃げられるのがオチだということだ。」
「でも、別に三成や吉継でなくても…。」
秀秋が反論する。
「他の奴らなら尚更だ。奴は口がうまい。奴の口車に乗せられて逃げられるに決まってる。…だから、あちらさんには任せておけない。」
「…そんな人には見えなかったけど。まぁ、いいわ。それで、どうするつもりなの、清正さん?」
すると清正はいつもの笑顔でこう言った。
「俺に妙案がある。」と。