大嫌いなヒーロー

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キーンコーン.....


ガタッ



授業終了と、昼休みの始まりを告げる鐘がなるとともに、私はお弁当を持って席を立った。

だって、うん、クラスのこわぁい女の子たちの目が私を見てギラギラ光ってるからね!

昨日夕くんと帰ったことですよね。
ごめんなさい。でもあれは夕くんが悪いんです。



しかし、教室をいち早く出たものの、どこでお昼を食べようか?

教室前の廊下で思考する。

教室は駄目、

中庭は窓から見たらモロバレ、

どこかの階段とかも人がよく通るから、怪しい人と思われるよなぁ。

トイレは・・・・・嫌だ。



・・・・・・・・どこも駄目じゃないか。

早くしないと派手系女子が来てしまう。

なんて思考するのが遅い頭だ。


どこか、どこか、どこか、

思いつけ、思いつけ。






・・・・・・・・そうだ、屋上。


ふいにピン、と閃いた。

存在を忘れてたよ。あまりにもポピュラーすぎて。

ここまで思いつかなかった私の頭の残念さを嘆くべきか、思いつけたことに感謝すべきか。

そんなことは置いといて、屋上。
人も少しはいるだろうけど、そこでなら一人でも不自然じゃないし、物陰はある。
中々良いではないか。

よし、決定!




そうと決まれば急がなければ。

追っ手が来てしまう。


私はさっそく小走りで屋上までの道を辿った。





コケませんように!




たったった、



べしゃっ。





・・・・・・・・お弁当死守。
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