大嫌いなヒーロー

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「それでねー、バレー部の人たちとお昼一緒に食べることになったんだー。」


「ふーん。」



「そういえば、夕くんいなかったけど誰といたの?」



「クラスの奴ら。」




「・・・・・・・そ、そっかぁ。」



何だか機嫌、悪くないですか?

今私の目の前に座っている男は、家に帰ってのびのびしていた私の部屋におそらく部活が終わったすぐと思われる時間に乗り込んできた。

そしてものすごい勢いで今日のお昼のことについて問い詰めてきたのだった。

これだけでもかなりの暴君ぶりを発揮しているというのに、さらに自分から聞いといて機嫌悪くなっている。

もう暴君超えたらこれ以上何になるの、夕くん。



空気がとてもよろしくないです。




私はなんにも悪くない!

・・・・・・って言いたいなぁ。悪くないし。



うん、まぁ言えるはずもなく。







そんな中、夕くんが口を開く。

「何か、イライラする・・・。」


「・・・・・・・・。」

はい、知ってます。
見てたらわかります。







夕くんが声を発するたび、憂鬱になりそうです。



「・・・・・・なぁ、なまえ、」



「・・・・・・・なぁに?」


唐突に私の名前を呼んだ夕くんに、嫌な予感がしないでもなかった。


























「俺、おまえのこと、好きかも。」



「え、?」






多分、こっからが、私の人生の、

分岐点で、


巻き返しが、はじまるところ。
 

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