大嫌いなヒーロー
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夕くんと私が付き合ってることはバレー部以外にはどうやらバレていないようです。
いや、まぁいいんだけど、嫌がらせなくなるかも、
って夕くんと付き合い始めたのに、これって意味あんの?
別れても変わんないんだったら別れる意味も無いしなー
なにやら利害関係が複雑です。
そんな少し引っかかる現実を抱えながら、私は放課後、図書室にいる。
何故かって?
「ねぇねぇみょうじさーん。」
「な、なに?」
「もうっ、そんな怯えないでよ〜。」
「そうそう、うちらがいじめたりするとか思ってんのー?」
「えっ、や、そんなこと、」
「うそーっ、ひどぉーい。
あたし今傷ついたぁー。」
「あたしもぉー。」
「うちらさぁ〜、図書室の本の整理頼まれてるんだけどー、みょうじさんのせいで精神科行かなきゃ駄目んなってー、」
「「「「みょうじさん、替わってくれない?」」」」
「・・・・・はい。」
こんなかんじ!
学校って怖いね!
実力社会だよ!ちょっと違う気もするけど!
「・・・・・はぁ。」
憂鬱な気分で、図書室の本たちを見渡す。
先生も、「お、おまえが整理してくれんのか?頼んだぞ!」で行っちゃうし。
あきらか一人じゃ無理だから。
教師というものに絶望していたとき、
どごぉぉぉんっ!
すさまじい音が図書室の本棚の奥から聞こえてきた。
え!?何?誰かいたの!?心霊現象!?
とてつもなく鍵を閉めて帰りたい気持ちになった。