大嫌いなヒーロー

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「なまえーーーー!!!!!」


図書室で、いらいらピークの私の頭に降ってきた声は、大嫌いな、あの人のでした。


耳きーんてする。



「・・・・夕くん。」


「ナニ?声でかすぎでしょ、おたくの彼氏さん。」


「・・・・・・・・。」


そんなこと私に言われたって知らねぇよ。




「あ!、西谷くん、どうしたの?」


タケちゃんが侵入者に気付いて声をかけた。

あー、やっぱり夕くんの知り合いなんだよねー。


「おぅ!タケちゃんじゃねぇか!
なまえ探しにきた!どこだー!」


・・・・・・うるさい。


月島くんのことでイライラ倍増な私はめんどくさいからとりあえず、出て行こうとした。


「なに、夕く、・・・・・・」


したんだけど、な。


最後まで言い切る前に、何かに口を塞がれ、ぐいっ、と引き寄せられる。


____今、私のまわりで動く生物だなんて、ひとつしか、ないわけで。



私よりずっと大きい胸板から、鼓動を感じた。
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