大嫌いなヒーロー
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「練習試合?」
「おう!音駒とな!」
どこだよ。
「そんなのあるんだー。いつ?」
運動部って、やっぱり面倒くさそうだなぁ。
とか全運動部の皆さんに怒られそうなことを思いながら、適当な返事をする。
「次のゴールデンウィークの最終日!!」
「え、もうすぐだね。」
「そ!だからゴールデンウィーク中も全部練習だ!!」
「・・・・・頑張れー。」
うぇぇぇ、超キツそうじゃーん。
休み全部潰れるて!よく耐えられるな!
私なら1時間でやめるわ。
ま、精々頑張れ。快適なところから心の中で応援してやるよ。
私には関係ないしねー。
とこのときは思っていたが、どうやら大分と私は糖分多めだったようだ。
次にこの男が口から出した言葉により、どんどん事態は悪い方へと転がっていき、しまいには私のゴールデンウィークは、快適なものとは程遠くなるのだった。
「応援来てくれよな!!!」
「・・・・・・・・・・・・・は?」
ちょっと、今なんつった?このチビ。
「いやー、やっぱな、彼女がいるとやる気倍増だと思うんだよなー。」
うんうん、と一人で頷いている。
思うだけかよ。
「・・・・・・そういうのって、部外者が行ってもいいのかなぁ?」
駄目だよね、駄目ですよね。
だってほら、私関係ないしね。ないですしね。
「あー、いいみたいだぜ?なんか町内会の人たちとか来るっぽいし。」
町内会の人ってなに?部外者すぎるよ!
まずどこで知り合ったの!?
突っ込みたいところはいろいろあったけど、とりあえず、もう逃げられないことがわかった。
こんちくしょう!
「わ、わかったー。応援行くねー・・・・。」
行くだけだから、行くだけだから、ちょっとむさ苦しいところに行くだけだから。
「よっしゃー、よろしくな!
・・・・・・・・・・・・・・あ!そうだ!」
目の前の男が急に、ひらめいた!みたいな顔をする。
嫌な予感はんぱない。
そして、にっこり笑って言い放つ。
「弁当、作ってきてくれよ!」
顔の筋肉がフリーズした。
こいつ、本気で言ってるのか・・・・?
ほらな!、もう最近の私感良すぎじゃない!?
絶望ながら、仕方が無い、と私は腹を決めたのだった。
「・・・・・・・・・・期待、しないでね・・・。」
「おう!」
とある夜更け、夕くん宅での会話。