大嫌いなヒーロー

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お惣菜屋さんに何が売ってて、何を買うかくらい見てきなさい!どうせなまえは買う前になって悩むんだから!


と、偉大なるお母様に申し付けられたため、私はまだ長袖が必要なくらいには涼しい中、お惣菜屋さんへの道をてくてく歩いていた。

もう2回こけましたけど?なにか?


白いワンピースは土で汚れてしまった。

そんなわけで、私はいつも通りにブルーだった。


というかお母さん、私は夕くんにあげるためのものなんて別に悩まないよ。

そんなこといえないけど。



心の中だけなら言える、お母さんへの文句を抱えて、また転んだ。



・・・私の家は学校に近い。

だからこの高校を選んだわけなのだけれど。

だって、私が電車通学なんてしたら、絶対毎日がデンジャラスだと思うから。


というわけで、近所のお惣菜屋さんも、必然的に学校の近くである。


学校、っていう単語が不幸の象徴である私にとって、これ以上気分が沈む道はないと思う。多分。



◇◆◇


「ありがとうござましたー。」


気の抜けたお姉さんの声とともに、私はお惣菜屋さんを出た。

ふむ、なかなかおいしそうであった。


試しに、お母さんに内緒で、玉子焼きを4つ買ってみた。

こんがりとしていて、少し甘めらしい玉子焼きは、とても食欲をそそられる。



どこかで座って食べたいな、そう思い、適当に補導の脇に腰掛ける。

後ろがフェンスで、結構いい場所だ。




「いただきます。」


そう小さく呟いて、早速玉子焼きを食べようとしたら、





「・・・・・・ねぇ、」



目の前に、大きなプリンがあった。
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