短編

□歌留多さまより
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「翔陽一緒に帰ろう」
「名前ちょっと待ってて!」
「んー」

翔陽は近所の幼なじみ。
翔陽がバレー部に入ってからはあまり一緒に帰ったり話したり出来なくはなったけど、バレー部のことを楽しそうに話してくれる翔陽を見るのはなんだか嬉しい。

「お待たせっ!」
「はい、部活お疲れ」
「えっあっありがと!!」

自販機で買っておいたパックの牛乳を手渡すと翔陽は笑顔でそれを受け取ってくれた。
癒されるなぁ…
なんて考えながらコンクリートで舗装されている道を並んで歩く。いつもと変わらない道なのに、翔陽と一緒にいるだけでなんだかキラキラして見える。

「…あれ」

ふと夕日に照らされて道路に落ちる私たちの影を見つめる。
隣をあるく翔陽の影は、私より頭2つ位大きかった。
前は同じくらいだったのに。
急に気付いてしまった性別の違いと、

同じくらいの影

私の、翔陽に対する気持ち。


この気持ちに名前をつけるならそれはきっと、

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