短編

□歌留多さまへ
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「つっきーつっきーつっきーつっきー!」

「・・・うるさい、何。」

「つっきーっていっぱい言うとキツツキみたいだねっ。」

「黙れ。」


割と面白いと思ったのに。



つっきーとは中学からの友達・・・・だと思ってる、私は!

そこそこ仲が良い方かな。
つっきー友達少ないからね。

ちなみに片思い歴4年だ。
中学の入学式で一目ぼれってやつです。
フラグは一切立つ気配がなく、中学は友達で終了した。

というわけで、高校まで追っかけてきたんだし、両思いになりたいわけですよ!


なのに、つっきーは今日も冷ややか全開だ。


そこも好き!
なんだけど、



「つっきー今日もかっこいい、好き!」

「ふーん。」


「・・・・。」


いかんせん伝わらない。
なぜだろう。地味に悲しいんだぞ。



「つっき〜・・・・。」

「何。」

「ハートがブレイクしたー。」

「ご愁傷様。」


どうしたもんだ。






「ぐっちー、どうしよう。」


「・・・・休み時間毎回俺の席来るのやめたらいいんじゃない?」


「・・・ぐっちーは、つっきーの真似してクールぶってもかっこよくないかな。」

「哀れむなよ。」


「大丈夫!つっきーよりかっこいい生物は地球上に存在しないから!」

存在したらどうしよう。
多分・・・いない!


「・・・・・・・・・・・、そーいうの、駄目なんじゃないの?」

「え?」

今の悪いとこあった?

つっきーを愛してることしか伝わんなかったと思うけど。


「だから、その、笑いみたいなノリ?」

「笑いじゃないよ!本気100%だよ!」


「・・・・・・まじでか。俺ずっと半分ウケ狙ってんのかと思ってた。」


「狙ってねぇよ!」

「もっと真面目になったら?」

「元からこういう人間なんだけど・・・。」


「・・・・・・残念だな。」


えー・・・
へこむ・・・・・


「あー、あと、おまえ好き好き言ってるけど、だから何。」


「・・・・何って、好き以外にあんの?馬鹿?」


「・・・・・・・だからさぁ、すっごい仮に、つっきーと両思いになったとしたら、どうする?」

「・・・・どうする?」


「俺に聞くな。両思いで終わりって、小学生か。」


「その先・・・・、付き合うってこと?」

「そー、それ。付き合いたいって思わないの?」


「・・・・・・・・想像したこともなかった。」

「・・・・・。」

残念な目やめろぐっちー。


「ふへへへへ、付き合うかー、ふへへへへ。」


「きんも!」

「ふへへへへ。」


おおそうか、付き合うか〜、つっきーとあんなことやこんなことか〜




「ぐっちー、ありがとう。
今からつっきーに付き合ってくださいって言って来る。」

「早いな。」


「あれ?つっきーは?」

「購買。」


なんでぐっちー着いていってないんだろ。
つっきーの腰巾着なのに。


「行ってきます!」

「頑張れー。
・・・・・あと、俺のとこにもう相談とかしてきたら駄目だからな。」


「・・・・?わかった。」




ぐっちーに手を振られて、全力で走り出す。




早く、速く、1秒でもはやく、君のところへ。



人で溢れかえった購買前に、つっきーはいた。


「つっきー!!!!」


聞こえるように、届くように、大声で叫ぶ。

こっちを振り向くつっきー。



「は!?おま、何!?」


珍しく、驚いている。


すぅぅっ、と息を吸い込み、つっきーが何か言おうとする前に、口を開く。



「好きです!!!!付き合ってください!!!」










結果。

殴られました。

痛い。



「う〜・・・・・、痛い。」


「痛くしたから当たり前だ馬鹿。」


「そんなに嫌だった?」


「・・・・・。」


「?」










「・・・・・・・・・・・・別に。」



「・・・・・!」



「・・・何だよ。」



「つっきー大好きー!!!」


「・・・・・・知ってる。」







ぐっちーにお礼言っとこー。
は?何で山口?


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