短編

□春歌さまより
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「なまえ殿おはようございます好きです!」


朝一番のラブコール


パチリ…
静かにゆっくりと瞳をあける。
最後に見たときにくらべ幾分明るくなった視界に朝なんだなぁと実感させられる。

朝独特の微睡んだ思考のなかでも浮かびあがるのは彼女のことばかりで…
嗚呼、俺はもう彼女のことしか考えられないほど好きなんだなぁ。

彼女…なまえ殿。俺の想い人。共にザガン攻略をして…否、その前、見た瞬間一目惚れしたのだ…!あの花の様な笑顔に!!

アリババ殿に名前殿を思う気持ちは絶対に負けません!

名前殿のいいところは笑顔だけでは無いんだ。
彼女には治癒能力があってそれ故に慈悲の心があり、誰にも偏見を持たず、容姿がいい!
そして何より料理がうまいんだ!


……うん?料理?
はっ!そうだ!彼女は今日…。
「みなさんいつも鍛錬をされて疲れているでしょうから朝食は私が作りますね」
っていう朝からどうしよう心臓破裂しそうです…!なことをしてくれるんだった。

ということは
彼女は早起きしている→一人で料理中→二人っきりになれる

これは行くしかない…!
思うが早く俺は自室を飛び出した。


タッタッ…

ああ、何だろう。この胸の高揚感は…
彼女と二人で居られるというだけでこんなに嬉しいなんて…!

「“恋”というものは難解ですが、人を温かい気持ち優しい気持ちにさせてくれるものなんですよ」

姉上…今ならあのことば大変理解できます!

「おはようございます!なまえ殿!」

これから暫しの楽園が訪れ……る…??

「あ、おはよう白龍!」

「よぉ白龍!遅かったな!((ニヤッ」

なっ…んでアリババ殿が…!
ま、まさか読まれていたのかコイツに……

…とにかく今回は一本取られたぁぁぁぁ!!

その後テンション下がりぎみで朝食をすませた白龍。
(何故だろう。折角彼女が作ってくれたのに余り美味しく感じなかった…)

そして鍛錬をすませところ変わって白龍の部屋。

どうすればアリババ殿に邪魔をされず彼女に会えるだろうか…?

………

10分経過───

ああああ!!そうだああすれば…!!

白龍は何か思い付いたようです。


「ぅうん……くぁぁ…ふぁ…」

小鳥のさえずりが聞こえる。
朝だ。
大きな欠伸をかいて布団から這い出る。
着替えて軽く髪を梳かす。

今日も一日頑張ろう!

自分に喝を入れる。
これ、自分の癖なんだよね。こうでもしないと気合い入んなくて。

ドアノブに手を掛けて回す。
何時もと同じ、何気無い動作。

「なまえ殿おはようございます好きです!」

「…え?」

え、今この子なんて言った?
す、すき…とかなんちゃら…

「あ、いや!その…えと。
アリババ殿に先越されないようにと思いつい…」

ああー…目赤くなってるよ可愛いなぁ。意地悪したくなっちゃう。

「…もう先越されてるよ。」

「え…!?」

ふ…予想通りの反応。

「だから、もうアリババに告られた。」

「………!!!」

足ブルブルしてる。泣きそう。
…しょうがないなぁ。
泣き虫なキミが可愛くて、抱き締めたくなっちゃう私は末期?

「でも断ったよ。
好きな人が居たから。誰だと思う?」

キミに簡単すぎる問題を。
早く解いてよ、ずっと待ってる。

「…俺ですか?言っておきますがこれは自惚れではないですよ?」

100点満点の答えだよ、合格。

「私も大好きだよ、白龍!」

二人で強く抱きしめあったある日の早朝。


朝一番のラブコール
(Good morning,I love you!)

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