短編
□君がスキな私
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※君のキライな私 続編
「私は彼に嫌われているのだろうか?」
「彼、ってマスルールのことかい?」
「そう、マスルール君だよ。
どうにも態度が冷たい気がしてならないのだが。」
「はははっ、面白いことを言うなぁ!」
「・・・・・面白いか?」
ただ今私の最近の悩みについて、七海の覇王のシンドバット王に打ち明けているところだ。
私の祖国とここ、シンドリアは比較的仲の良い国で、お互い行き来したりして、以前からシンドバット王とは交流があった。
そのおおらかな人柄は、私の相談相手になるのには、うってつけだ。
「ははっ、あいつは元からああなんだ。
そう言ってやるな。」
「無愛想とかそういう問題じゃなくてだね、私と他の人と態度が違うのだよ。」
何が面白いのか、シンドバットは終始笑顔だ。
彼もこの人のように、少しでも私に笑顔を向けてくれれば良いのに。
「逆に、考えたことはないかい?」
急に含みのある笑顔、しかし真面目な態度になって、シンドバットは言う。
「?、何を?」
ぎゃく?
「何で自分だけ違うのだろう、じゃなくて、なんで自分のことを、特別扱いするんだろう、ってね。」
「・・・・・よく、意味がわからない。」
「その内わかるさ!」
「・・・・・・・・・。」
結局、シンドバットは笑顔のまま、私は答えが出せないまま、だった。