短編

□よくある話
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※死ネタ注意※

































実に、よくある話だった。







私は組織に所属していた。

理由としては、故郷の小さな国で親が政府に殺されたから、とかいうありきたりなことだ。







私は好きな人がいた。

そこら辺に溢れかえっている三流少女漫画のような成り行きだ。

身の上を隠して賑やかで明るい町に降り立った私は、恋をした。


彼が私にとってどういう人かはわかっていた。
いずれ戦場で向き合うこともわかっていた。








だけど、私は。









やがて、すごく強くて少し馬鹿でとても頼もしくて言い表せないほど格好良い彼と、お互い想い合うようになり、恋仲となった。



私は、なにひとつ彼に打ち明けないままだった。












こんな安っぽい物語の結末はとっくにわかっていた。











だけど、私は。
















できるものなら、貴方のキラキラと輝きながら揺れる銀色をいつまでも見つめていたかったなあ。

なんて。












◇◆◇




「なまえ・・・・・・?おい、嘘だろ、なんで、おまえが、」





ごめんね、シャルルカン。嘘じゃあないんだ。私はずぅっと"こっち"だったんだ。











その日は案外あっけなくやってきた。


私とシャルルカンの仲を知って、わざわざ私をこの戦場に送り込んだ我等がマギのねとつく視線が鬱陶しい。

マギの悪趣味にも困ったものだ。











私は、ひとつ溜息を吐いて、












闇 色 を 振り かぶっ た。
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