片恋い。

□02
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あ、


ふと、目に入る。
いや、目に、入れてしまう。
そんな後ろ姿が見えた。





今日も頑張ってるなぁ。


そんなことを思ってぼうっと城の3階から見える中庭で鍛錬をしている少年を仕事中なのも忘れて見つめる。






正面から、見つめたい。
正面から、言葉を交わしたい。
正面から、触ってみたい。

まぁ、無理なことだけど。



そんなくだらないことを考えながら廊下で立ち止まって窓の向こうを眺めていると、いつの間にか人が来ていたようだった。




「香桃ちゃん!何してるの!仕事中でしょ!」


「す、すいませんっ」


持ち場は違うけれども、先輩の口うるさいことで有名な女官だった。

ねちねち説教をされるのは面倒くさい、そう思い、すぐにその場から離れる。

それに、多少口はうるさいが、仕事をきっちりこなす、尊敬できる先輩だ。






もう少し、見ていたかったなぁ。





臆病
何もできないわたし。
 

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