片恋い。
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「頑張るわよ!香桃ちゃん!」
「は、はいっ紅玉さんっ」
ついにこの時がやってきた。
お茶、茶菓子の準備はばっちり。
どっからでも来い!というかんじである。
「あたくしも緊張してきたわ・・・」
「・・・なぜ?」
「だって別にあの姉弟と仲良いわけじゃないものぉ。何話せばいいかわかんないわよぉ。」
「紅玉さん・・・。」
あまり仲が良くないのに私のために・・・
こんなに嬉しいことはない。
「あれ?でも白龍様だけお呼びしても良かったんじゃあないですか?」
「変でしょぉ・・・。
白瑛が苦手だからってそんなこと言わないの。」
あっ、苦手ってばれてる。
「うぅ・・・、はぁい。」
ぎぃぃ
扉が開く音、
姉弟と、お付きの者が入ってくる。
どくどく、
心臓が、早鐘を打つ。
姉弟の方に振り向く、私と紅玉さん。
どくどく、
白龍様を、見る。
こんなに、近くで、真正面から、見るのは、初めてだ。
どくどく、
白龍様が顔を上げる。
どくん。
目が、合う。