片恋い。

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「あ、そうだ、香桃、」


「?何ですか?」




「デートしてくれない?」





2秒後、青舜様の体が、真横に飛んだ。





「痛いっ、ひどいっ!お兄ちゃんになんて事を!」



「近親相姦をする兄などいりません。」



思いっきり侮蔑の色を示した目で、しりもちをついた自称兄を見下げる。




「嘘です嘘です、ごめんなさい。
買い物に少し付き合ってはいただけないでしょうか。」


怯えた様子で青舜様が言う。



「それならそうと早く言ってください、まったく。」


結構本気で横腹を殴っちゃったじゃないですか。



「お茶目な冗談だったのに〜」


「時と場合と相手を考えてください。」



はぁい、と気の抜けた返事をする兄に、溜息がもれる。





「でも、何で私なんですか?
一人で行けばいいじゃないですか。」


大の大人が買い物もできないのか。



「いや〜、そのね、女の子に贈り物をするから、一緒に選んで欲しいんだ。」


その言葉に目を見開く。




「ついに・・・春が来ましたか、お兄様!」


本当に喜ばしいことだ。
うん。



「・・・ごめん、来てない。」



なんだ。

期待させないでよね。





「じゃあ、誰に贈るんですかー?
それに、一緒に買い物なら、白瑛様と行けばいいじゃないですか。」




「あー・・・、その、白瑛様に贈り物するからさー」



また目を見開いてしまう。

身分の差は、まぁ、私もだけど・・・


白瑛様みたいな高貴な女性がこれを相手にするとは思えない・・・



そんな目でみたら、



「いやいやいやっ、違うよ!
やましいことなんて無いよ!」

必死に訴えてきた。




「では何故?」



「・・・誕生日もうすぐだから、なんかあげたくて。」



「へぇ〜・・・」



顔がにやけてしまう。




「ほんとに!好きとかじゃ!無いから!」



「はいはい、わかりましたよ。」






わかってない〜・・・

とかごにょごにょ言ってる青舜様を見て
言う。



「何をしているんですか、早く準備してください。」


「へ?」


「へ、じゃありませんよ。
行くならさっさと行かないと。」



ぱぁっと明るくなる、青舜様。


「うん!」



この人、私より10倍は可愛いわー
















「一応そこそこ有名人なんで、顔くらいは隠してくださいね。」



「はいよー、りょーかい。」
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