片恋い。

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「ねぇ香桃ちゃん。」


「何ですか、紅玉さん。」


「・・・・・・・・あなたって、白龍皇子のことが好きなのよねぇ。」


「はい、それはもちろん。」



「・・・・・・。」



「どうかされたんですか?」



青舜様と一緒に買い物に行った翌日。
今日も仕事に精を出そうとしていたら、紅玉さんに引き止められた。



「香桃ちゃんって、白瑛のお付の人と仲良かったわよねぇ。」


「青舜様のことですか?確かに良くしてもらってますけど。」


それが一体どうしたんだろう。

今日の紅玉さんは何やら回りくどい。



「・・・・・恋人同士だったりするのぉ?」









「・・・・・・・・・・・・・・は?」


やっぱり紅玉さんはストレートでした。



・・・・・ていうか、私があの人と恋人?
何の悪い冗談だ。



「そんなわけないじゃないですか。
一体どうやってそんなこと思い付いたんですか?」


紅玉さんの頭の中はおめでたいなぁ。まったく。




「思いついたっていうか・・・・、

噂になってるわよぉ?」


「は?」


思わず間の抜けた声を出してしまった。


「あたくしもさっき夏黄文から聞いたばっかなんだけどねぇ。」



「だだだ、誰ですか!そんなこと言い出したのは!?」


そして夏黄文様はどこから知ったのだろう・・・




あ、部下(笑)からか。




「まぁ、根も葉もないただの噂ってかんじだし、誰かなんてわかんないわよぉ。」



「世の中には迷惑な人がいますねっもうっ。」


白龍様のお耳にでも入ってしまったらどうするんだ!



「んー、でも、根拠としては、香桃ちゃん、あなた昨日例の人と一緒に出かけたらしいじゃない?それじゃないかしらぁ。」



「誰か見てたんでしょうかねー・・・・・。」




「・・・・・見られるとか以前に、男女二人で恋人同士でもないのに出かけるのはどうかと思うわよぉ・・・・。」



「そんなもんですかー・・・・。」



そんなもんよぉ、と紅玉さんは頷いた。



「話はそれだけなの。ごめんなさい、引き止めちゃって。」


「いいえ。お構いなく。」




「それじゃあお仕事頑張ってねぇ。」


そう言って手を振る紅玉さんに、はーい、と良い子のお返事をした。
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