片恋い。
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「白龍様!あれは、もしかしてっ、」
「ああ、香桃!城だ!」
なんていうか、地獄でした。
とりあえず、普通なら半日ほどで着くはずが一日かかったと言っておこう。
白龍様がいらっしゃるため、民に道を聞くことができず、ふらふらと彷徨っていた。
まだ秋とはいえ、夜はさすがに寒く、体力的にも精神的にも疲弊していたが、白龍様の手前、それもなかなか言い出せず。
もうボロボロです。
でもそこまで頑張った私に、神様はどうやらご褒美をくれたようです。
「長かったですね・・・・!」
感極まって私は言う。
「いや、まだ早い、喜ぶのは城まで辿り着いてからだ!
城の中に入った瞬間、二人で喜びをわかち合おう!」
「はい!」
うっ、涙腺がっ。
何このノリ、ってかんじですが、
厳しいプチ旅を終えた私たちには、なにやら体育会系の絆が結ばれていたのでした。