片恋い。

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神官様も意外と怖くなかったし一安心、と思っていたけど、私にはまだ、やらなくてはならないことが残っていた。



「せ、せせせ、青舜、殿!」


声が詰まりながらもなんとか目的の相手の名前を呼ぶ。

その人は数人の兵士とともに回廊を歩いていた。


「あれ、香桃?、どうかしたの?」

振り向いてくれたことに少し安堵する。


「は、はいっ。あの、その、お聞きしたいことがありまして、」

「へぇ、僕で良いなら何でも聞きなよ。」


そう言って手で一緒に居た兵士たちを下げてくれる。
結構気はきくんだよなぁ。



「今、お時間よろしかったでしょうか?」

全然大丈夫、と言って微笑む姿を見て、ふっ、と息を吐く。


それでも、内容が内容なだけに、やはりすぐには口には出せなかった。


「う〜・・・・、あー、えっとっ、」


中々本題を切り出せない私にを、辛抱強く青舜殿は待ってくださる。

そのことにありがたさを感じつつ、申し訳なさも浮かび上がってきた。


しばらくためらっていたが、意を決して、ゴクリと唾を飲み込む。






「・・・と、殿方が、貰って、嬉しく思うものは、何ですか?」




言いきった瞬間、青舜殿は少し驚いた顔をしたけど、すぐにとびきりの笑顔を見せる。





「・・・すっかり可愛らしくなったなぁ。」




すごく嬉しそうだけど、反面、少し悲しそうにも見えた。
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