片恋い。
□18
1ページ/2ページ
神官様も意外と怖くなかったし一安心、と思っていたけど、私にはまだ、やらなくてはならないことが残っていた。
「せ、せせせ、青舜、殿!」
声が詰まりながらもなんとか目的の相手の名前を呼ぶ。
その人は数人の兵士とともに回廊を歩いていた。
「あれ、香桃?、どうかしたの?」
振り向いてくれたことに少し安堵する。
「は、はいっ。あの、その、お聞きしたいことがありまして、」
「へぇ、僕で良いなら何でも聞きなよ。」
そう言って手で一緒に居た兵士たちを下げてくれる。
結構気はきくんだよなぁ。
「今、お時間よろしかったでしょうか?」
全然大丈夫、と言って微笑む姿を見て、ふっ、と息を吐く。
それでも、内容が内容なだけに、やはりすぐには口には出せなかった。
「う〜・・・・、あー、えっとっ、」
中々本題を切り出せない私にを、辛抱強く青舜殿は待ってくださる。
そのことにありがたさを感じつつ、申し訳なさも浮かび上がってきた。
しばらくためらっていたが、意を決して、ゴクリと唾を飲み込む。
「・・・と、殿方が、貰って、嬉しく思うものは、何ですか?」
言いきった瞬間、青舜殿は少し驚いた顔をしたけど、すぐにとびきりの笑顔を見せる。
「・・・すっかり可愛らしくなったなぁ。」
すごく嬉しそうだけど、反面、少し悲しそうにも見えた。