片恋い。
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先日の青舜殿の様子にが気になりつつも、私は今日、白龍様がいる(と白瑛様に教えてもらった)修練所へと、向かっている。
普通よりも少し遅いくらいで歩いているのに、息切れがする。
うまく息が吸えない。
落ち着け、私。
これじゃただの変態だ。
そう、これは、お礼、お礼なのだから。
命を救ってくださった殿方へのお礼と、謝礼。
するのが当然だ。
しなかったら人間的に駄目だ。
別に、やましい気持ちだけではないから、ちゃんとした理由があるから。
自分にあれこれ言い訳を言い聞かせると、少し気持ちが楽になる。
だけど、同時に、命の危険のことまで利用する、恋する私の図太さ、というか、図々しさと、
こんな理由もなければ白龍様に近付くこともできない自分の意気地なさに、ほとほと呆れた。
そんなちょっぴりの罪悪感を胸に、威勢のいい音が聞こえる修練所にたどり着いた。