片恋い。
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白龍様が、急に黙り込んでしまった。
どうやら何か考え事をしているようで、眉間に少し皺が寄っている。
白龍様のこんなお顔も凛々しくていいなぁ。
とか呑気なことも考えてしまうが、やはりちょっと不安である。
もしかして、料理がお口に合わなかったのだろうか、
馴れ馴れしく話す私を、鬱陶しいと思われたのだろうか。
もんもんと頭の中で弱気なことを考えてしまい、ほんの少し、涙が滲みそうになる。
ああ、駄目だ、
そう思って目元を拭ったとき、
「香桃、」
白龍様が私の名前を呼んだ。
「・・・・えっ、はい!なんでしょう?」
突然のことで思わず肩をびくりと震わせてしまったが、白龍様は、そんなことより、私の目元を見て驚いたようだ。
「ど、どうした?、なにかあったのか?」
「いえ、全然、大丈夫、です!目にゴミが入ってしまって・・・。」
我ながら酷い言い訳だ。
自分に呆れつつ、慌てる白龍様がなんだか可愛らしく見えてしまい、また、胸が高鳴った。
「あの、それで、なんでしょう?」
うるさい心臓を押さえつけるように、口を開く。
心なしか、白龍様のお顔が、赤いように見える。
「あ、いや、たいした、ことではないのだが、・・・」
「?」
いつもはきはきしている白龍様が、もごもごしているのが、珍しい。
新しい白龍様を見れたことに、胸を躍らせていたら、白龍様が、また口を開く。
「・・・・・っ、その、よかったら、また、作ってくれないか・・・?」
その声色は、とても、必死で、
「・・・え?」
「い、嫌なら、別にいいんだが、」
顔だなんて、真っ赤になっていて、
「い、いえ!こんなもので良かったら、何度でも、お作りします!」
私もやっとの思いでありきたりなことを答えることしかできなくて、
「・・・そうか、では、また、二人で食べよう。」
ふわりと、嬉しそうな笑顔を向けられでもしたら、
こんなの、反則だ。
「・・・はい・・・・・。」
私はショートしそうになる頭を抱えて、小さな声だったけど、精一杯で、返事をした。