四神の守護者〜朱雀の守人〜

□第七夜〜山賊の頭〜
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青い髪の男についてしばらく歩いて行くと、一対の扉の前に止まった。


「…ごめんください! どなたですか?
頭に頼まれて女の1人を連れてきた攻児です。
まあ、それはよくいらっしゃいました、お入りください。
ありがとう。」


そこまで青い髪の男…名を攻児というらしいが、1人で喋りギィっと音を立てて扉を開ける。
その行動に美朱はズッコケ夏緒は、


「なっげーわ‼」


思わずツッコミを入れていた。
そして部屋にいたのは…



「おお攻児!連れてきたか⁉」


太った体に牛の角がついたような帽子、ぼさぼさの髭を生やした男…
その姿に思わず美朱は固まる。


「気ィしっかり持ちや。」


その姿に攻児も思わずあわれんだ声を出す。


「イヤイヤ、あれは無理でしょ。」


美朱と菜乃華を交互に舐め回すように見た後、


「連れてこいゆーたんは1人やったろ?何で2人もおるんや?」

「頭に頼まれて連れてきたんはこっちの娘です、こっちの娘にはオレの相手をしてもらおう思いまして。」


そう言って美朱の背中を押し、夏緒の腕を引っ張る。


「ちょっと、押さないでよ‼」

「まぁ、まちや。」


そう言うと頭と呼ばれた男は2人をもう一度頭からつま先まで見やる。


「あ〜…ダメ、その視線だけで気持ち悪い。」


あまりの気持ち悪さに思わず鳥肌が立つ2人。
しばらく見た後、


「ん〜、2人とも合格!」


そう言ってウィンクしながら片手でマルサインを作る。



「「合格したくない!」」

「ちゅ〜わけや、2人とも置いて行きや。」


美朱と夏緒の叫びも虚しく、功児は小さく舌打ちした後、


「ほな、オレらは失礼しますよって。」


そう言って一礼した後部屋を後にした。
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