四神の守護者〜朱雀の守人〜
□第三夜〜覚醒・巫女との出合い〜
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夏緒の話によると、
現れた気は二つ…巫女の気には違いないだろうが……一つは朱く、もう一つは蒼く感じたという。
しかも、朱雀の一人と接触があったらしい。
その後…その二つの気は消えたという…。
「やっぱり、すごいのだ!夏緒はそんなことまで分かるのだな!」
感心したように言う井宿だが、そこへ太一君が話かける。
「夏緒よ、お主 “儀式” をするつもりはないか?」
「儀式…ですか?」
「さよう、お主さえ嫌でなければそこにおる井宿としてもかまわんぞ。」
「たっ…太一君!?…///」
井宿は “儀式” の話を思いだし顔を赤くした。
「俺は、かまいませんが……“儀式” とは、何ですか?」
「うむ、お主の中にある守護者の能力を覚醒させる、それが “儀式” じゃ……覚醒させれば、今まで以上の能力が使えるのじゃが…」
そこで一度、言葉を区切り井宿の方へと視線を向ける。
「……///」
「太一君?」
「ゴホンッ……その “儀式” というのがな…口づけじゃ…。」
「くっ……!」
これには、さすがに絶句する夏緒。
「まぁ、これは七星士であれば青龍でも、朱雀でも構わんのじゃが……。」
「…………………」
しばらく、考えてから夏緒は、
「…井宿なら…俺はいいよ。」
「だっ!?…夏緒、本当にオイラで良いのだ?」
「まっ、井宿が嫌でなければだけどね!」
予想外の返答におどろく井宿、
「オイラは…嫌ではないのだ。」
「よし! んじゃ、決まりだな!」
「よろしい!……では、夏緒はこちらへ来なさい。」
「?」
太一君の側へ行くと手をかざされ、全身を光が包んで行く……。
やがて光が収まると…
「!?……太一君…これって!?」
「儀式には、それなりの格好があるのじゃ…」
夏緒の姿は朱を基調とした、巫女が着るような衣装に変わり…
髪型も、両側でワッカを作り残りの腰まで届く長い髪は柔らかに波打っている。
「だからって!……///」
「……///」
夏緒いや……菜乃華と井宿は互いに目を合わせると、赤面していた。