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□とある日の出来事
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朝起きる。
体が重たい…
昨日の宴会で呑みすぎたようだ。
しかしそれだけではない。なんか、こう…
本当に肉体が重たいっていうか…
とにかく起き上がってみる。
ボーっと辺りを見回してから重たい体を無理矢理動かして隊服に着替える。
着物の前をはだけさせると自分の体が重い理由が分かった。
昨日までペタンコだった自分の胸には小さい柔らかな丘があった。
「何これ…」
とにかくグニグニ触ってみるが偽物ではないようだ。
何でこんなのが付いたんだろう。
昨日までの行動を思い返すが特に思い当たる節はない。
こんな、女になったなんて誰にも知られたくない。
でも一人では不安だった。
こんな時はあの人に頼るしかない。
俺は自室を後にしてある場所に向かった。
「土方さーん」
副長室の襖を開ける。
煙草の匂いのこもっていてケホケホと空咳をする。
「嗚呼、何だ総悟」
書類を置いて此方を振り返る俺の恋人。
あまり俺から土方さんを訪ねて行かねぇから嬉しそうだ。
「あの、俺が今から言うこと聞いてもらえやすか…?」
「聞く、どうした?」
俺の方へ向き直る土方さんを見つめて小さな声で「女になりやした」と呟いた。