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□紅い月明かり@
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真選組の斬り込み隊長である沖田は1番隊の隊士3人を率いて攘夷浪士が集まっているという建物に突撃する。
「真選組だァ!テメェら、神妙にお縄につきやがれェ!」
叫んで障子を開くと目を見張った。
数が多すぎる。
報告によれば5人か10人くらいしか居ないという事だったのに…。
ざっと見て50人程は居る。
隊士たちも困惑した表情を隠しきれない様子。
攘夷浪士の一人が口を開いた。
「真選組だとよ。見事に罠に掛かってくれたな。」
攘夷浪士たちは刀を構え此方に向かってきた。
急いで刀を構える。
すると浪士の一人が煙幕のような物を投げてきた。
一気に視界が見えなくなる。
(く、苦しい…。頭がクラクラ…する)
沖田はフラッとよろけてその場に倒れてしまった。
どのくらい気を失っていたのか、目を覚ませば冷たい床の上に倒れていた。
「ここは…」
起き上がろうとしたが、手首は縄でキツく縛られ机の脚か何かに繋がれている為全く動かせなかった。
「目を覚ましたか。」
いきなり聞こえた声に驚き顔を上げる。
目線の先には3人の攘夷。そして彼らは一人ずつ沖田が連れてきた隊士を連れている。
「何が目的だ。そいつらを離しやがれ」
ジロッと睨み付ければ浪士の一人が腹を抱えて笑った。
「自分の心配より仲間の心配か?大した隊長さんだな。」
そして隊士たちを俺の前に投げ捨てた。
3人がドサドサと俺の足先に倒れた。
「おい!大丈夫か?」
自由のきかない手を動かして呼び掛ける。
すると3人はフラフラと立ち上がった。