*シリーズ*
□女の体って面倒くせぇ
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人生には自分の力じゃどうにもならない事がある。
背が伸びたくても伸びないとか、痩せたいのに痩せれないとか、性別を変えたくても変えられない…とか。
別に俺はそこまで大きな壁にぶつかったこともない。
身長はそこまでチビって訳でもないし、体重も特に。
そして性別を変えたいなど思った事もない。
俺にとって望み通りにならないことと言ったら
土方が死んでくれないこと。
別に本当に死んでほしいとか思ってはねぇけど。反応が面白ぇから、つい。
そんな俺に突然壁が現れたのだ。
朝起きて体が重たく感じた。疲れてんのかな、と思ってもう一度横になってみると…
うにゅ。
腕にのしかかる重み。
……重み?
不審に思ってもう一度体を起こす。
確かに…、確かに。そこまで大きくはないが、胸に筋肉とは違う厚み。
触ってみると弾力感。面白半分で着物の帯を緩めトランクスに手を突っ込む。
………ない。
普通なら慌てふためくところなんだろうが
俺の心はいたって穏やかだった。