イナズマGO
□天京(かも)
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朝から眩しい光が窓から射し込んでいる。今日は大晦日。ゆっくり過ごしたかったので、昨日は家の大掃除を全部終わらせた。お陰で足腰に疲労がたまっている。
「…ねみぃ。」
今日ぐらい二度寝しても許してくれるだろうと思い、もう一度布団を被ろうとしたとき…
「剣城ぃー!!おっはよー!」
一瞬、思考回路が停止した。
まさか、あいつが俺の家を知っているわけがない。今のは聞き間違いだろう。気のせいだ。絶対気のせいだ。
「ねぇー剣城!遊ぼうよー。」
「松風、どうやって俺の部屋に入ったんだ」
「鍵を貸してもらったんだよ。」
「…誰に。」
「え、優一さん。」
気のせいではなかったようだ。
鍵を見せてもらうと、確かに優一が持っていた家の鍵だった。本当に嫌だ。松風の隣にいると気が休まらない。
「で、何のようだ?」
「へへっ!今日は大晦日だろ?」
「…それがどうした。」
「だからっ…その…」
本当におまえは何がしたいんだ。いつもははっきり言うくせに。
松風はなぜか照れだし、なかなか本題に入らない。
一人で呆れていると、やっと松風が話し出した。
「今日は大晦日で今年最後の日だろ?…俺、家で考えてたんだ。年が明ける瞬間、誰と一緒にいたいかって。そしたらさ、一番真っ先に剣城の顔が頭に浮かんだんだ。だから…」
「俺と一緒に年を越してくれませんか?」
自分でも顔が熱くなるのがわかる。なんでそんなこと言うんだよ。そういうことは普通好きな人に向かって言うことだろ。
そんなこと言われたら、自惚れてしまうだろ…。お願いだから、これ以上俺のお前に対する思いを揺さぶらないでくれ。でないと、
お前を…松風を好きになっちまうだろ。