イナズマGO

□春よ、こいこい
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俺、松風天馬は今日から中学一年生だ。大好きなサッカーを有名な雷門中サッカー部で出来るなんて、俺にとっては天国だ。

そんなことを思いながら、俺はサッカー部を探していた。


________今思えば、これが君との出会いだったんだな…


サッカー部を探してる途中に、サッカー部顧問の音無先生に会って案内してもらうことにした。


ドゴオォオオオオッ


「!?」

なんだ!?今の音はっ!!

俺と先生は、音がする方へと近づいていった。近づいて行くたびに、空気が段々冷たくなっていく。寒い、とかじゃなくて…何だろう、張りつめている感じ。

…ごめん、俺馬鹿だからこんな表現しか出来ない。

とにかく、入学式っていう喜ばしい雰囲気ではないかな。

たどり着くと、そこは大きなグラウンドだった。その中心にたたずむ一人の少年を俺は見てしまった。

「…っ」

なんて綺麗なんだ。こんなに綺麗な人は見たことがない。
少しつり上がった目に、柔らかそうな唇。やたらと白い肌に深く、綺麗な藍色の髪。少し改造した感じの学ランを着ている。

こういう人を絶世の美女って言うんだな、と思った。まぁ、ズボンをはいているから男だけど。

「これで終わりだっ!!」
少年が恐ろしいほど速いシュートをサッカー部員に打ち放った。

ドゴオォオオオオ

あ、さっきのすごい音はあの子だったんだ。
俺は呑気にそんなことを思っていたが、そんな考えは一気に吹き飛んだ。

少年の、あの彫刻のように美しい顔が一瞬歪んだ。気づいたのは俺だけ。しかし、すぐに挑発的な笑みを浮かべて言い放った。

「俺はフィフスセクターから送られてきたシードだ。雷門中サッカー部は今日で廃部だ。」

くくっ、と愉快に笑っている。他の人から見れば腹立たしいだろう。

でも、俺は見た。サッカー部を倒す時に見せた苦しそうな、本当はこんなことしたくないとでも言うように歪んだ顔を。

(じゃあ、あの笑みは演技だよな?)
(なんでフィフスセクターにいるんだろう)
(あんなサッカー、楽しくないよな)
(あいつの本当の姿が見たい)

あいつのことが知りたい。


会って初めて、しかも話したことのないやつにこんな感情を持つなんて…
しかも男に。


(あぁ、これが)

一目惚れってやつなんだな。
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