イナズマGO

□俺だってたまには寝坊する
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少し曇り空の朝、目覚まし時計は鳴り響く。剣城はまだ夢の中である。


ジリリリリリリリリリリリリ

「ぅるせぇ!!!!!」

ガシャン!!


目覚まし時計を壊してしまった彼は、再び眠りについた。

まさか今日、初めて遅刻してしまうとは知らずに…

まだ午前5時のことである。


*****

「やべっ、遅刻だ!!」

案の定朝練に遅刻してしまった。実は、昨日剣城は夜更かしをしてしまったのだ。

といっても、ゲームだとか読書に励んでいたわけではない。数学の宿題を出されたことを忘れて兄、優一の見舞いに行ってしまったのだ。

まぁ、本人は久しぶりに兄に会えて喜んでいたが。

宿題を終えたときには、既に2時半を越えていた。

そんな彼、剣城は珍しく焦っている。
遅刻なんて初めて(シード時代もちゃんと来てた)なので、余計に落ち着かない。

とりあえず顔を洗い、いつもの改造制服を着て、家にあった食パンを食べた。
歯磨きしながら洗面所の鏡を見る。
そこで重大なことに気づくのだ。







髪の毛のセットをしていない。


普通の男子なら、あまり髪の毛に時間を取られることはないが…彼の場合はどうだろうか。


あの逆立った、いかにもとがった感じの髪型。誰がどう見ても時間がかかるし、難しいだろう。

今鏡に映っている自分は、前髪は作っており、藍色の少し寝癖がついているけれどストレートな後ろ髪。


(セットしねぇと絶対馬鹿にされる!!けど、今からセットすれば朝練に間に合わない…ちくしょー!!!!!どーすりゃいいんだよ!!!)


*****

結局、セットはせずに学校へ急ぐことにした。

さすがに下ろしたままだと邪魔なので、後ろの髪をひとつに束ねた。

そして家から出て走る。
とにかく走る。
ひたすら走る。

(目覚まし時計壊すんじゃなかった…。後で買わねぇとな)


目覚まし時計を壊したことを後悔している間に、雷門中についた。

家から学校まで1kmぐらい離れている。が、さすがFWと言うべきなのか5分足らずで着いてしまった。


学校に着けばあとはサッカー塔へ入るだけだ。今頃練習をやめてミーティングを始めてる頃だろう。


普段は放課後にミーティングをするのだが、円堂監督が放課後は時間が空いていないらしく朝練の後にすることにした。


と、空野から昨日メールが来た。


空野が言うことは松風と違って信頼出来るのでサッカー塔へ向かう。

あらゆる所から視線を感じながら。







「あのかっこいい人誰!?」
「すごいイケメンなんだけど!」
「あの服…もしかして、一年の剣城君じゃない?」
「え、嘘!?髪型変わった?」
「サッカー部でFWだよねー」



剣城は女子生徒達がこんな会話をしているなんて思ってもないだろう。



*****


ウィーン


「遅れてすみませんでした!!…ってあれ?」


サッカー塔に入るが誰もいない。

(まだ練習でもしてんのかな…だったら着替えた方がいいよな?)



そう思い、ユニフォームに着替えてグラウンドに行ってみた。
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