イナズマGO

□秋よ、こいこい
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ひらひら、と紅葉が舞い落ちる。それを、俺達二人は廊下の窓から眺める。


「もう秋かぁー…」
「紅葉が綺麗だな。」
「うん…焼き芋食べたいなぁー…」
「花より団子かよ…」


くくっ、と京介が声に出して笑う。だって、お腹空いたんだもん。仕様がないよ。

夏、想いを伝える前に呆気なくフラれた俺は、今でも京介の隣を独占している。もちろん今でも好きだけど、恋愛としてではなく友人…親友として好きになれるよう意識している。

「…、好きなんだけどなぁー」
「は?…お前、秋好きだっけ?」
「俺はどの季節も好きだよー」
「ふーん…天馬は夏っぽいよな」
「えー、そう?京介は…冬っぽいね」
「ははっ、真逆だな」
「ふふっ、そうだね」

二人で笑いあう。この時間が、俺は大好き。

夏から秋にかけて、いくつか変わったことがある。一つ目は名前の呼び方。お互いに、下の名前で呼ぶようになったんだ。
初めて呼ばれた時は心臓が引っこ抜かれたかと思うくらい驚いた。と同時に、堪らなく嬉しかった。実は、今でも呼ばれる度にどきどきしている自分がいる。


二つ目は、

「あ、来た。」

「天馬ぁー!剣城ぃー!」
「待ってよ、信介くん!」
「みなさーん!お昼ご飯食べましょう!」

俺と京介。それに信介や、狩屋と輝。この五人で行動することが多くなったこと。同じサッカー部というのもあるけど、一緒に居ると心地が良い彼ら。京介と二人でいる時とは、また違った良さがある。

「あ…悪い、昼休みに委員会入ってるんだった。」
「え、剣城も?実は僕もなんだー!一緒に行こうよ!」


「剣城くんと信介くんは委員会ですか…。なら今日は残りの三人で食べましょう!」
「そうだね!…狩屋は大丈夫?」
「俺はなんの委員会にも入ってないから大丈夫。」

そんなやりとりをして、双方に別れた。昼の委員会は、お弁当を持ってその教室へ行かないといけないから、一緒に食べることが出来ない。

残った俺達三人は、いつもの場所へ行く。

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