あとがきの小部屋

□ジュノーの祝福
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「通り雨は虹をつれて」の続編として書きました。

クロードさんと結婚させてあげて、とのリクエストを数人の方からいただき、
6月だし、ジューンブライドということで、ふたりをくっつけようと思い立って書いたのものです。

このジューンブライド。
英語でジューンは6月です。

ジューンはローマ神話にでてくる女神ジュノー(ヘラの英語名・嫉妬深いイメージがある…)からきていて、

彼女は、全知全能の神ジュピター(ゼウスの英語名)の正妻、女性の守り神、結婚をつかさどる女神です。

ジュノーの守護月は6月、この月に結婚する花嫁はジュノーの加護を受け、幸せになるそうです。

また、フランスかどっかでは
「雨の日の結婚式は幸せをもたらす。雨が一生分の涙を流し去ってしまうから」
というジンクスがあるそうで。


今回「通り雨〜」の続編ということで、雨を意識して書いてみました。


雨というかたちで二人へ贈られる幸せ、それが「ジュノーの祝福」なのだとしたお話でした。

さて、あまり書かない執事さんたち。
萌えポイントは、なんといっても口調が変わるところですよね。

この変えどころが難しいし、どこまでくだけた言い方になるのかなと悩みました。

恋人モードのときの言葉づかい。
突然切り替えられたらドキッとしそうです。

あー、もうちょっと執事さん、うまく書けるようになりたいです。
今後の課題ですね…

あと、ウィル様とクロードさんのコンビを復活させました。
それは、話を書こうと決めたときからなにかしらの方法でもとにもどしたいなと。

やっぱりウィル様の執事はクロードさんじゃないとダメだと思うの。

最後に天泣(てんきゅう)についてです。


天泣とは、雲もないのに降る雨、天気雨のことだそうです。

なにかの語録で見つけたときから、なんてセンスのいい言い方なんだろうと印象に残っていました。
そらが泣くだなんて。

言葉の響きもなんかいい。


前回は通り雨、今回は天気雨。

「今日はこのまま天気雨が降り続いてもいい」
(たいてい天気雨はすぐやむものだけど)

と書いてから、
天泣のほうがいいかも?と思って使いました。



次回はこのままうまくまとまればマックスさん。

ありえない系が入ってます。


題名は、「Last Present from …」




見上げる夜空は、深く、重い闇。

「うわっ…やべえことになっちまった…」

駆け寄る男たちの足音を、背をあずけたアスファルトに感じて、
私はなお、身をかたくする。

動くこともできないこの姿すら、悪意のフィルムにおさめられるのではないかと。

「…私に…私にかまわないで…
お願い、もう、やめて…」

降りしきる雨の一粒一粒が、頬を刺す棘のようだった。

うすれゆく意識。

…マックス…助けて…

小雪まじりの雨が冷たく落ちる夜、
愛する人を遺して、私は……死んだ――


なんとかまとめたい、と私も。
地道にがんばります。

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