あとがきの小部屋

□Last Present from …
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マックス様の元カノ、ユリアのお話でした。

こちらのお話を書くにあたって、おふたりのプリンセスからヒントをいただきました。


まず、りん様。

LINKに、私がとり憑いているりん様のサイトがあります。

そちらの「タバコ」はマックス様のお誕生日としてりん様が描かれたもの。

ユリアを失ったマックス様がさまよう孤独の世界に希望のハトが…のイラストです。



突然ですが、「花さき山」という絵本をご存知でしょうか。

主人公のサキがひとついいことをすると花がさく…という話だったと記憶しています。

物語もさることながら、この本の切り絵がすばらしく美しいのです。

おなじかたが描いている「半日村」「もちもちの木」「八郎」というと、小さいお子様がいるママさんにはわかるかもしれませんね。

りん様の絵を見た時、私の中ではこの切り絵とつながりました。

暗闇の中、白く浮かぶ彼岸花。

この本は昔っからある本で、私は
「花さき山」の見開きをコピーして、さらに黒の画用紙に写しカッターで切って、裏から色を載せた白画用紙を当てて遊んだ思い出があります。

そんな時までもさかのぼって思い出させてもらえるイラストでした。

ここの部分は私の勝手な話。。。


――元に戻ります。ちょきちょき。



そして、りん様のこの絵をご覧になったエリコ様が
ユリアとの出会いや別れ、プリンセスと出会い、マックスが心癒されるまでをユリア目線でかけますか、とおっしゃってくれたのです。


とたんに、雨の中、仰向けに道路に横たわって短く息をするユリアがバーンって頭に浮かびました。

たぶんもう助からない…脳裏に浮かぶのは大好きなマックス。会いたい…


マックスは、思い出の教会でリングを携え、愛する彼女を待つのだけれど…


○○目線はあまり書いたことがない、

死んでいるからだれとも会話をできないユリアが、マックスとヒロインを見つめるだけの視点、

前回マックスの話は、性格がつかみきれない描写のせいか読まれていない

とマイナス思考にひるんだけれど、ここは最初のシーンの直感を信じて書こう!次の愛につなげてあげる、ユリアの深い愛を書いてみよう!とすすめました。



書くにあたって、本家本編マックスをもういちど読み直して、
リンクできるところはしてみました。時系列は無視してるとこもあります。


また、成仏できないユリアの悶々とした話では暗すぎるとおもって、天使のスーちゃんを登場させました。

時折、男を垣間見せるスーちゃんはGREEイベのスーちゃんからヒントをもらいました。

まさかのスーちゃん萌え!


今回の話でもスーちゃんをちょっとカッコよくしたかったです。


最後、マックスがユリアの唇にキスするシーン。

ここは、額にするか、唇にするか、最後まで迷いました。

ヒロインを愛しているはずのマックスが、指輪を渡すことはあってもユリアの唇にキスするか、否か。


興味をもっていただけるかた。差し替える前は、こちら↓↓


**


「マックス…最後に、キス、して?」


まっすぐに見あげる私に、マックスが一瞬、戸惑う瞳を揺らした。

長い間、彼だけを愛してきた。

心のうちは、手に取るようだった。

マックスが愛を込めたキスをささげるのはいつだって、たった一人の愛する人だ。

前髪をかきあげて、私は目を閉じる。

本当は…本当は、唇に。

でも、せがめばきっと、マックスは困惑する。


そんな彼を見れば、私も、傷つく。


鼻先をかすめる最愛の人の香り。

あのころと変わらないコロン。

ふわり。

そっと額に触れる、優しいぬくもり。


「愛してた…ユリア、心から」

「うん、私も…」


アイシテル。

あれほど毎日、あれほど毎夜、視線がまじわれば交しあった言葉を口にしそうになって、私はキュッと飲み込んだ。

マックスの時は流れる。彼女と共に。

なのに、私はマックスの過去の中でだけ、息をふきかえす。

求めあった愛はもう、雨の夜に置き去りになったままで、ただ懐かしい想い出にすぎない。


「…私も、愛してた」


絞り出すように、私は彼に告げた。

うつむいて、マックスを見ることはできなかった。

うらはらの過去形は、彼のため。
本当は、今も進行形で、愛は私の胸にいる。


彼への気持ちを過去形で言えるほど、私を強くする誰かは、私にはいない。


**


あくまでこの話の主人公はユリアということで、ユリアが嬉しい展開を選択しました。

UPしたあと、名前変換で自分の名前入れて読んだら、なんか微妙な気分だった…



りん様、エリコ様、お礼が最後になってしまいましたが、
本当にありがとうございました。


そして、ここまで読んでくださったプリンセス様、ありがとうございました。

みなさまのおかげさまにて、次作もまた頑張れそうです。

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