心が風邪？
わ、たいへん、たいへん。

離れててもあったかいように、
たくさん言うね。

麻貴を誰よりも愛してるって。

だから…こっちおいでよ。

なんかね、時々幸せすぎて不安になることがあるんだ。
全部夢で、朝起きたらまた独りぼっちだったらどうしようって。

詩乃の体温、感じていたい。
いつも本気だけど、今夜はもっと、本気だから。

私とロベルト様が、二人で一つ…。
そうですね、そうだと良いのにな。
ふふっ、想像しちゃった。ほわほわんって。
温かいオーラがあって、…いいな、それ。
涙が滲んでき…、やだな、ごめんなさい。

私からお誘いしたら、はしたないかも、だけど

…、心が風邪をひきそうだから、その、あの、
今夜は、一緒にいてくださいますか？
朝のことは…朝に考えるから。

うん。
俺もきっと、朝さよならした瞬間に、
もう会いたいって思うと思う。

俺と麻貴、ふたりでひとりの人間ならいいのにね。

アルもさあ、発信機ばっかり開発しないで
コピーロベルトを作って欲しいよ。

そうすればもう一人の俺にぜーんぶ仕事をやってもらって、
俺は麻貴とずっとイチャイチャできるでしょ。

アルにはこの話秘密だから。
またこーんな顔して、くどくど言われるに決まってる。

…う、想像しちゃった…あ〜やだやだ。

邪魔なわけ、ないでしょ。
俺が一緒にいたいの。

そーんなに緊張しないで？
朝までぎゅうううってしていたいだけなんだ。

でも、目が覚めたときにリツがそばにいてくれるシアワセがくせになったら、
毎日おねだりしちゃうかも！

嬉しいな。
誘う言葉を迷うことなかったみたい。

同じ気持ちの胸なら…合わせてもいいよね？

どうしたの？
何時もなら「詩っ乃ちゃーん！今日は朝まで離さないから
ね〜♪♪」って、ギューッってしてくるのに。

うっ、そんな迷った仔犬みたいな上目遣いで聞いてくる
なんて. . . 、もうっ、ロベルト、反則だよね！


. . . ロベルトと一緒に居たくないなんて一瞬でも思ったことなんてないのに。

うん♪今夜はずっとロベルトの頭、なでなでしてあげる♪♪ふふっ、たくさん甘えてね♪

私への誘い文句、ですか？
う〜ん…、どう…。難しい。
あるのかな、私の辞書に…？

だって、朝までですよね？
今から６時間後くらいには、もう朝です。
目が覚めたら、時計には無情にも
「もうタイムリミット、ね」と言われ、
自分に言い聞かせる必要があり、寂しい。
その瞬間がとても辛いです。大泣きです。

わかってます。これは損な感覚だって。
今を楽しめない、損な考え方です、確かに。
でも、そう考えるのも私だし。
はぁー…折り合いがつけられないです。
自分のことなのに、可笑しいでしょ？
ずっと一緒にいられたらいいのに。

…どう言えば、ロベルト様と朝を越えて
ずっと一緒にいられるんだろう。
ぐす…これ、当面の宿題かな。ぐすん。

奇遇ですね……私もちょうどその、朝までいっしょに……と。
あ、でもあの変な意味ではなくて、その……えと……
ロベルト様のおそばに置いてくださいませんか❓もし、
お邪魔でなければ、です、が。

───…っ…。

ほ、ほら、いつもそうやって不意打ちで…

じゃ、じゃあ…ほら。読みかけのあの本、まだまだページあるし、一緒に読む…?

ううん。ほんとは。

離れたく、ないから。
このまま、いてもいい…?