古代の生き物。

□【古代の生き物】
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あたり一面、かれこれ何日か経ったようで血は黒ずんでいて、
人とは見えないほどに無残に切り刻まれて死んでいた。

扉を開けた途端に襲われた生臭い匂いで三人は噎せ返りそうになりながらも、必死にこらえてた。

マルコが一番最初に口から手で覆いながら歩きだした。
その後を着けるようにエース達も同じ様に歩き出した。


「「「..........
   ..........
   ..........」」」


誰もなにも発しない。

でも、発せるわけもない。
あちこちに死体が有り、部屋に漂う生臭さ。
これに耐えるのがやっとだった。

すると一人、別行動をしていたエースがあるものを見つけた。


「!?!.....なんだ.....これ」


目の前の物を見ながら口元を覆っていた手を離し、前にある物体を見た。

見ている物は水槽。
それも金魚用の水槽じゃない。
人間が一人入れそうな縦長の水槽だ。

そこには大昔に全員死んだはずなのに、今、部屋全体が血まみれで生きのこってる奴はいないのに、

一人の女が白い着物一枚を着て、口元には空気用と栄養を流すチューブが付けられていた。
ゴポゴポと息をしながら眠っていた。


「マルコ!!サッチ!!これ.......!!」


自分とまったく別の所にいたマルコとサッチ呼んだ。
すると二人は大急ぎで向かってきた。


「!!...なんだよい..?!..これ...」

「!!...うわ〜、なんかすげぇなぁ...」


驚きを隠せない二人。目を見開き水槽を見上げた。
エースは水槽に手をつけ見上げながら疑問に思う事を二人に投げつける。


「なぁ、あの大事件は大昔にあったんだよな....?」

「?....ああ、そうだよい。
なんせ、まだロジャーと親父が争ってた頃だからねい」


するとすげさまマルコが、水槽から顔事エースに向けやっちまった!!
という顔で「!!わ、悪ぃよい.......」とすぐさま謝った。

それもそうだろう、なんせエースはロジャーの事を忌み嫌っている。
ロジャーの名前を出しただけでも怒るのだ。

でもエースは上を向いたまま、「いいよ」と言った。

そして、さっきの話を再開しだした。


「そんな大昔なのに.......なんで生きてるんだ?なんで、こんな所にいるんだ?」


エースは水槽を見ながら、マルコたちに聞く。
そんなエースにサッチが-----


「っていうか、これ.....生きてるのか?」


と、質問を質問で返した。


「息はしてるから生きてはいるねい。だとすると.........」


話してる途中に突然黙ってしまったマルコに、サッチは疑問になり問う。


「どうしたんだ?マルコ。気になる事でもあんのかよ?」

「....いや、今考えても仕方ねェよい」

「?」


マルコの言葉にサッチは訳がわからず、頭の上に?を浮かべる。
そんなマルコ達を無視して、エースが言う。


「とりあえず水槽から出すか......」

「そうだな。ここで話てても仕方が無いしねい」


マルコが言い終わると、水槽を壊しに掛かった
のだが、今まで無表情だったエースが満面の笑みを浮かべてんじゃ、俺一人でやる!!」と言い出した。
 
言い出す前から、“俺がやる”というオーラを出していたからマルコとサッチが
「(ああ、お前がやるのか)
 (ああ、お前がやるのかい)」と、以心伝心したと思ったら案の定。

言い出したので、マルコが「じゃァ、やれよい」と、めんどくさそうに適当に言い放った。
 
適当に言い放ったにもかかわらず、エースが笑顔で「よっしゃあ!!」と、うれしそうに笑いながら言った。

まるで、子供が好きな物を買ってもらったかの
ような--------------

そんなエースにマルコは、心の奥底で“わかりやすい奴だよい”と思っていた。


蛍火!!!


エースは指から光の弾を出し、水槽と繋がっている蓋、的な物と、
水や酸素を贈っているパイプ管を、
爆発させた事で、水槽が割れて入っていた
水と一緒に女が出てきて、グッタリと床に倒れこんだ。

それを見た三人が、すぐさま女に近寄り
マルコが女の肩を揺すった。


「おい!大丈夫かよい!?.......」


と言っても、女は起きる気配がまったく無い。
だけど、一応息はある様で安心したマルコ。
するとマルコは渋々----------


「ハァ.....しかたねェ。船に連れて帰るぞい。 詳しい事は船で。だよい」

「なァ、これ、その女のかな?」


どこから持ってきたかは、わからないが、エースの手に、女のであろう服があった。

その女をマルコがお姫様抱っこをし、エースが女の服を持ち、船に戻った。

マルコが女を抱っこする時に、 サッチと言い合いがあったのだが(サッチが100%悪いんだがな。
 変態だし変態だし変態だし......
...............................
...........フランスパンだし)


「おいコラ、関係ねェだろ!フランスパンとか!
っつか、これはフランスパンじゃねェ!
愛のこもった、男の理想!それすなわち.........リーゼント!!!」




「なぁ、マルコ....あれ...なんだ?」

「無視だよい。無視。他人のふりをしろい」

「OK」


エースとマルコは、ぶつぶつと意味不明なこと
を言っているサッチに向かって、無視して船に戻った。
  

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