【さァ、ホントの自分はどれ?】

□【さァ、ホントの自分はどれ?】
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そこはとある場所。
そこに2人の男女が並んでたち、目の前にあるデカイ建物。高層ビルを見上げていた。




『ねェ、先生!今回の僕たちの獲物はここにいるんですかー??』



高層ビルへ向いていた顔を、隣に立っている自分よりも背の高い細身スーツをビシッと着こなす男へと向き直り、見上げながら元気に問うこの女の名は、漸(ゼン)シュウゼン。



「ああ」



高層ビルを見上げながらシュウゼンへと向き直ることなく、問いに短く返答をするこの男の名は漸(ゼン)ウゼン。



『ふゥ〜ん、そうですか!全部殺していいんですよね?先生🎶』
「無論だ。この高層ビルが高層ビルだとわからないぐらいに、そこに高層ビルが元々存在してなかったかのように、殺し壊し破壊し消滅し爆発し潰せ」
『了解!跡形もなく殺す🎶』



そんな素っ気ない返事でもシュウゼンは気にすることなく、これまた元気に問いて、予想していた答えが返ってくると嬉しくて仕方がなく大いにはしゃいだ。

その光景は、はたから見れば家族か恋人同士が高層ビルに移住しにきた。
という風にしかうつらないだろう。

だが、会話を聞いてみればそんな可愛らしい発想は出来ないくらいに恐ろしい会話を、堂々と道端で話していた2人は、これまた堂々と正面玄関から入っていった。



「ん?すみませんが、あなた達は?」
『ぼく?僕は漸シュウゼン!』



正面玄関から入って行くと、ロビーにいたスーツを着た護衛の者がいた。
まァ当たり前か。めったに集まらない獲物が集まったんだから、護衛がいないわけがない。
予想はしていたし、いるのが当たり前で、いることが前提で入っていったので、驚くことはなく自分らは何者かという問いに普通に答えたが、護衛のお兄さんからしてみれば予想だにしない返答が返ってきたため顔を引きつった。



「ッ!!お前等が漸組の!!!なぜこk」
『あーァ、ダメだよお兄さん。遅すぎだぜ。ニヒィ🎶』



腰にあった銃を抜こうとしたが、言葉が言い終わる暇もなく、銃を抜かせる暇もなく、うちが隠し持っていたナイフで



  殺した。




「シュウゼンお前は下の奴らを殺して壊して破壊してから来い。俺は先に行っている」
『はーい!先生!死なないでくださいよー?先生を殺すのは僕なんですから💕』
「ふん、誰に物を言ってやがる。小娘」
『ニヒヒ🎶』



口角を上げて楽しそうに先生を殺すと言い張るシュウゼンに、言った言葉自体は怖そうに思えるが、ウゼンは決して怒ってなどいなくむしろ楽しそうに、口角を上げ言い張った。
こうして、2人は別行動となった。



『さて、先生に壊して破壊して殺せっていわれたからなーやるか~ニヒヒ🎶』



人を殺(あや)めるのに凄く楽しそうに口角を上げ笑うシュウゼン。はたからみればイカれてる野郎だと思われるだろう。
シュウゼンは隠し持っていたもう一本のナイフを取り出し、両手に持ちながら殺気や気配を目当てに誰がどこに隠れているかを探りだし、見つけたところから順に殺す。
まずは、お前だ。おにーさん。



『みーっつけた!お 兄 さ ん 🎶』
「ッ!この!!」
『だから遅いって』



銃口を向けてきたが、銃ごと男を切り刻んだ。
それはもう、見るも無残に、男だとわからなくなるぐらいに、人間だとわからないほどに切り刻んだ。
次に視点をうつした。
四つほど先にある柱の背に、小刻みに震え殺意などなく気配と恐怖を纏った男がいるのがわかっていた。
僕はそっちに視点をおき、今度は【こいつを殺す】と狙いをさだめた。



『ニヒィ....見つけた、お兄さん』
「ひッ!や、やめろ、、やめてくれ!いやだ!みのがしてくれ!!!」



後ろから近づきニコやかな表情を見せて言えば、恐怖で身を震わせて僕に逃がしてくれるよう頼んだ男は、手に持っていた銃を床におき、殺意や敵意がないことを示した。
そんな男に僕はニッコリ微笑みを浮かべ、その表情を見た男はちょっと安心したようで、恐怖で揺らいでいた顔から小さな笑みがこぼれた。



『そっかそっかーお兄さん。見逃してほしいんだ。さてここで問題です。僕の嫌いな奴の特徴はなんでしょう』
「えッえッ、、???」
『5秒でお答えくださーい🎶5、4、3』
「ま、まってくれ!えっと、えっと」
『2』
「じ、自分ら漸組を、こッ殺そうとしてる奴ら、、、、とか」
『うーん、それはそうなんだけど!ブブーハズレだよ🎶僕の嫌いな奴らはね、お前みたいに弱くて弱くて弱くて弱くて逃げることしか考えてない奴らのことだよ🎶』
「!!!!」



ニッコリ微笑んでいた表情は、次第に微笑みは消えとても冷たい、氷みたいに冷たい暗く怖い表情へと変貌し、男は恐怖へと再び、いや。先ほどよりもずっと怖い恐怖へと変えられ動けなくなり、うちは構わずナイフを振りかざし振り下ろし、殺した。

傍に置いてあった木植を壊し、テーブルを壊し、パソコンを壊し、椅子壊し、全部壊し、すべてを壊し、殺した。

あっという間に綺麗にピカピカにされていたロビーは、見るに耐えない有り様となり、地には得たいの知れない者の刻まれた血や残骸と破片で一色とされた。



『さて、先生を追うかな』



 情報、手に入るといーなー



  僕
  ら
  の
  
  
  
  
  の
  情
  報
  を

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