小説

□特効薬
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「…なら何だと言うんだ?」

ジャックはやれやれといった顔をしながらも口元に笑みを含ませ、彼女の頭を撫でながら質問をしてみる。

「チョコに…媚薬効果がある、って聞いたから…」

「ほう」

「……、そういうことだから、それだけの話で…っ」

「何を自分で言って照れておる。そうとなれば、検証…じゃな。
お前、台所の戸棚にチョコを隠し持っているだろう」

「何で知っ…って別に隠してるわけじゃっ…!」

名無しさんが言い終わる前にジャックは既に立ち上がりキッチンへ向かっていた。

ソファーの上で身を縮め顔を伏せつつも、名無しさんは湧き出る熱い気持ちを止められそうになかった。
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