BL小説置き場

□君の匂い
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今日は久しぶりに琉夏

の部屋に遊びに行くっ!

まぁ、
つっても勉強会だけど。

学校終わってから
私服に着替えて
とりあえず、家をでる。

中3以来だから

けっこうひさしぶり。

いやーたのしみだなー。

コロ助は元気してるかなぁ。

あっコロ助っていうのは

琉夏の飼ってる犬ね。

まぁ、正式に言うと

拾ってきた、だけどw


コロ助っていうけど、

実はメス。琉夏もなんで

コロまでで
止めておかなかったんだろうか。


とか考えながら
歩いていたら
マンションの前についた。

夕暮れ時で、沈む
夕日が輝いて見えた。

琉夏の家は26階。

マンションは31階までだ。

階段で上って行くには
あまりにもキツすぎるので
俺はエレベータでゆきます。

ピーンポーン

『はーい。

庵ー?』

インターホンから琉夏の少し低めの
声が聴こえた。

なんだかこの感覚、懐かしい。

でも、なんでだろう。
いつもと様子が違う気がした。

ガチャ。

ドアが開いて
ニッと笑った琉夏がでてきた。

『おー。

中、入れよ。

喉乾いただろ?
俺、なんか飲みもの持ってくるから
部屋、上がっといてー。
あ、勝手に漫画とか読んどいていいから。』

琉夏はそう言って
目も会わせずにそそくさと
中に入って行ってしまった。

琉夏はいつだって優しい。
だから、ときどきこうゆう態度を
とられると、少し心配になる。
 
琉夏は高校に上がってからは
一人暮らしで実家からは
そう遠くない。

中に入ると、琉夏の靴が綺麗に
並べられていた。

家具は黒と白で
シックにまとめられていて
テーブルやソファもシンプル
なデザインですごく格好いい。



しかも、メゾネット。
(琉夏、なんだよこの家の広さ。。)


あまりの広さに
少し緊張しながら
二階に上って琉夏の部屋に入った。



中に入って座ると
ちょうど琉夏がコロ助と一緒に
盆の上にジュースを
のせて入ってきた。

『おっ。さんきゅな』

とりあえず礼を言って
ジュースを受け取る。

『んっ。』

琉夏からは短い返事しか帰ってこなかった。

琉夏の様子を気にしながら
あぐらをかいてコロ助
を膝の上に乗せる。

『おー。コロ助っ!
お前もこっちに来てたのかー。
元気してたカー?
よしーよしー』

『ぅわんっ!!』

コロ助は尻尾を元気に振って
頬にすり寄ってきた。

琉夏を横目でチラ見すると
さっそく、課題に取りかかっていた。

すこしだけ、


いや、ほんとにすこしだけ


琉夏の横顔をじっと見つめた。

琉夏はキレイだ。


しかもかっこいい。

二重まぶたの下に覗く冷たい色の
瞳は琉夏の独特な色気を醸し出し
スッと通った鼻筋と
薄いけど整った形の
唇が特徴的だ。

だけど、たまに笑う表情が
その冷たい雰囲気を変えさせ
正直、ときどき、どきっとすることがある。

だから、学校でも近所でも
男にも女にも人気だ。

でも、琉夏はどんなときも
クールだ。
さっぱりしてるといえば
聞こえはいいがたまに俺以外の
人に対しての態度が素っ気なさ過ぎる時がある。

未だにそれは謎だ。

ほんとに、なんでだろう。


コロ助をおろして、
自分も課題に取りかかった。

しばらくすると、

琉夏は勉強に飽きたのか、
ベッドの脇に置いてある
ギターを持ってきて
静かにつま弾いていた。

やっぱり、おかしい。

今日,妙に口数すくねえし
あんまり俺の方見ないし。

具合悪いのか?
いや、それはないだろ。

『なぁ、お前、どうした?
なんかあったか。』

『ん?。なにが?
べつになんにもねーよ』

そう言って琉夏は顔を上げて
少しだけ笑った。

んー。まっいっか。

少し、休憩しようかな。

静かな場所だから
大分はかどったし。

『なぁー琉夏。
ちょっと休憩しようぜ。
俺ーコンビニでなんか買ってくるわ』

といいながらテーブルに手をついて
立ち上がる。

『あぁ、それなら。俺もいく。
ちょうどおれも、
なんか甘いもの食いてー
っておもってたとこだしっ
、、、って?!おわっ?!』

テーブルのはじに
足を取られて琉夏のほうに
背中から倒れかかってしまった。

『おっまえ、だいじょうぶかー?

もう、ドジすんなよなー。』


琉夏が腕でなんとか
受け止めてくれたので助かった。

『てかお前、
ちょっとやせ過ぎな気がするんだけど

?』

そういいながら腰に
手をまわしてきた。
『そうかー?そうでもないけど。
毎日、ちゃんと3食食ってるし!
、、、

Σっ!;;」

琉夏の通った鼻が
俺の首筋をつたたった。

『な、なに?』

『べつに。

ただ、良いにおいだなって。


お前の匂いと洗剤の匂いが
混じった感じ』


後ろで琉夏がクスッと笑った。

琉夏は、

俺が首が弱い事を知っている。

なんか、、、




ドキドキする。




なんでだ?

『庵。

良い匂い。』


琉夏の息が
耳にかかって一瞬肩がびくついた。

おかしい。
どうしちゃったんだよ、琉夏。


近いせいもあって
琉夏のつけてる香水と
琉夏の匂いが鼻をくすぐる。


『庵。』

開いた唇の間から
吐息がこぼれる。

琉夏の少し低めの声が

耳に心地よく響く。






なんか、、、


変だ。


俺も。

へんな気分。

今この状況が
なぜだかイケない気がして
琉夏から離れた。

『る、琉夏?

コッコココンビニ!

コンビニ、行こっ?』


少し不安になって
琉夏の顔をを覗き込む。

『ん?おうっ。
行くか。』



琉夏と少し話しながら

玄関まで向かった。


ガチャ。

琉夏が玄関の鍵を閉めて
ポケットの中に入れた。

エレベーターで下まで下りて
マンションを出る。

エレベータの中では
ものすごく緊張した。

正体不明の胸の高鳴りを
どうにかして抑えようとしていると
琉夏がこっちを振り返って
言った。

『とりあえず、プリン買うかっ。

俺、コンビニのプリンけっこうスキ。




琉夏はそういって歩き始めた。





俺はその背中を追う。



琉夏と笑い合えるこの時間が好きだ。





だから


琉夏とはずっと友達でいたい。



ずっと。




友達のままで。

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