キューティクル探偵因幡
□第二章 犬的質問
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これは,荻野が帰った後のお話。
俺達は,少し緊張気味の彼女にこう言った。
「今から君は,俺達の仲間だ。君の事は,この因幡洋がちゃーんと護ってやるからな!」
「もちろん俺も護ります!あっ,俺の名前は,野崎圭です!多分年下なんで,何でも扱き使ってくれて結構です!」
「佐々木優太でーす♪一応因幡さんの右腕でーす♪右腕の座は誰にも渡しませんので,諦めてくださーい♪」
「あはは!この子は,放っておいていいですから!ただの女装男子ですから!ライバル視とか,もう本当気にしなくていいですから!」
『はっ,はい…。よろしくお願いします…』
「よーし。んじゃ,ご挨拶も済んだ所で……」
『え……』
「さわさわ……」
「その従順は許されませんよ!?」
「えぇー。だって,もうお客さんじゃないからいいじゃない。もう立派な事務所の一員なんだからいいじゃない」
「良くないから!まだ立派なセクシャルハラスメントになっちゃうから!」
「モニカさん,お茶入れますねー。…あっ。今湯飲みが切れちゃってるので,これでご勘弁をー」
『すり鉢……』
「だから,まだ駄目だから!いや,まだって言うか…金輪際駄目だからね,そういうの!」
「ケッ……こいつのツッコミさえなけりゃ……」
「何で俺のせい!?」
気を改めて,今回の本題へ。
「第一問。モニカちゃんは,犬派ですか?猫派ですか?」
『どちらかと言うと,犬です』
「はいっ,俺の勝ちー♪」
「これって勝敗決まるんですか!?」
「第二問。モニカさんは,因幡さん派ですか?圭くん派ですか?」
『えっ……?』
「優太くん,それ反則ー。絶対俺が勝っちゃうじゃん☆」
「なっ……!墓穴……」
「優太くん,ドンマイ」
「じゃあ,第三問。…毛は,好きですか…?」
『はい……?』
「毛です。貴女は,毛が好きですか?特に髪とか。髪の毛とか!」
『いっ…いや……』
「どんな毛色が好きですか?匂いは?指通りは?髪の長さは??」
「すいません。その人,毛フェチです」
『そっ…そう,ですか……。私は,その……匂いには敏感で……』
「匂い!?どんな匂いに敏感なんですか!?」
『えぇと……柔らかくて,ふわふわした匂い…とか……』
「柔らかくて,ふわふわ…!僕も大好きです!まるで,貴女の髪の匂いと似ていますね……」
「因幡さーん。帰っておいでー」
「因幡さん,因幡さん!僕の髪はどうですか!?この穢れのない純粋な金髪…!」
「うーん…。わかんねぇ☆」
「わかっ……!」
「また墓穴掘ったー」
「この伝説のピンク毛を目にしたら,右に出る者はいな……」
[洋の脳内]
「にーに……♪」
「は……遥ぁぁぁ…!!」
『えっ?えっ…?』
「何であんな事になっちまったんだよぉ…!遥ぁ…!」
「すいません。その人,ブラコンです」
『あぁ,弟さんですか…』
「まぁ,今は伝説のピンク毛を念入りに触れるからいいや♪」
「伝説には抗えないのか…」
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