悪魔なキセキ

□悪魔なキセキ〜Parallel World〜
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※こちらは平行世界(パラレルワールド)で、キセキの悪魔達が一つのお題で話を繰り広げる、グダグダなお話となっています!
※こちらの素敵ネタを提供してくださった抹茶様に感謝を込めて〜鴻より〜









「ジャ、ジャ、ジャ、ジャ〜〜〜ン!」


黄瀬は、自身が呼び集めた六公のメンバーの前に立つと、無駄に高いテンションで手に持っていたプラカードを見せつけた。

そして、それを見せつけられた五人は、赤で統一された重厚な談話室で、各自思い思いの場所に座っており、そのプラカードの文字に目を走らせると、呆れてため息を吐き出す。

そんなメンバーを代表して、黒子は嫌々ながらも口を開いた。


「突然、僕たちを呼び出したかと思えば…何です?“嫁談義”?」
「違うっスよ、黒子っち!正確には“うきうきワクワク、愛するあの子について話そう!the嫁談義!”っスよ!」


ぷりぷりと頬を膨らませて黒子の言葉を訂正する黄瀬に、黒子は褪めた瞳で刺々しく言葉を返す。


「…敢えて短くしたに決まっているでしょう?そんなウザさ120%もありそうなタイトルを、わざわざ真面目に読み上げてやるような優しさなんて持ち合わせていませんから」
「え〜!ウザくないっスよ〜?これは俺がめちゃめちゃ本気で考えた力作タイトルなんっスよ?」


と、黄瀬は黒子の嫌味も気にせずに、舌をペロッとペコ〇ゃん人形のように出して笑うと、腰に手を当てて黒子にグッと親指を突き出した。

そんな黄瀬にイラッとした黒子は、思わず黄瀬の足に孔(あな)を穿(うが)とうとしたが、黄瀬はそれをヒョイッと避ける。


「も〜…黒子っちてば、話はこれからなのに……カッカし過ぎっスよ?」
「…誰がカッカさせていると思っているんですか?それとも、そのふざけた脳ミソでは、僕が何に対してイラついたのか理解出来ませんか?理解出来てませんよね?それなら、そんな役に立たない脳ミソは、今すぐ僕が潰して上げます」
「え?あれ?ちょ、黒子っち?目がマジっスよ?」
「僕は冗談が言えない真面目な正直者ですから」
「えー!?ふつう自分で言うっスか!?」


狭くは無いが、だだっ広いわけでもない談話室で術を的確に放つ黒子と、攻撃力が低くても当たれば痛いのでヒョイヒョイと避けたり弾いたりする黄瀬。

そんな二人のやりとりを、残りの六公はつまらなさそうに傍観し、青峰は黒子と楽しげに対峙している黄瀬へ声をかけた。


「黄瀬、お前馬鹿か?テツにちょっかいかけると嫁談義ってのが進まねぇだろうが?」
「うわー…珍しく青ちんが的を射た事言ってる」
「そうだな…明日は嵐になりそうなのだよ」
「あ゛?なんだ?お前らは、俺に喧嘩売ってるのか?なぁ?」


紫原と緑間の言葉に、今度は青峰がキレかけたが、それを制止する声が三人の横手からかけられる。


「お前は暴れるな、大輝……これ以上、ここで暴れれば僕の面倒事が増える。それと、テツヤ、涼太。お前達も落ち着いて席に着け……これ以上、僕の手を煩わせるな」


静かに発せられた赤司の言葉は、立ち上がりかけていた青峰の動きを止め、黒子と黄瀬の小競り合いをやめさせた。

そして、沈静化した二人に視線だけ向けて席につくよう促すと、黒子と黄瀬はお互い視線を合わせた後、素直にいつもの自分の定位置に腰掛ける。

それを確認した赤司は足を組み直して、再び傍観者に徹し、黄瀬は黄瀬でプラカードを持ち直すと、何事もなかったかのように話を再開した。


「…と、言うわけで、折角こうしてそれぞれお嫁さんがいるんスから、みんなで自分のお嫁さんの自慢話……っていうか、ノロケ話をしてみたいな〜っと思って、わざわざ召集をかけたんスよ!」
「……来る前から嫌な予感はしていたが…本当にくだらない召集なのだよ」
「んー…俺は別に良いけど?」
「俺は話すの面倒臭ぇし…したくねぇな」
「僕も嫌です」
「えー!?なんでっスか!?」
「……黄瀬くんは相手の女性と上手く言っているから良いかも知れませんが…僕はまだ彼女を手に入れるのに難航中なんですよ。それなのに“嫁”対談?ふざけてる…僕はまだ彼女を抱けてもいないのに!何も話なんかできるわけがないでしょう!?」


切実な黒子の叫びに、黄瀬と青峰はドン引きし、緑間は秘かに共感してしまい顔を伏せる。

しかし、紫原が何の悪気もなく「えー、黒ちんってば、赤ちんの次に長生きなのにまだDTなの?」と、黒子と緑間の地雷を踏みしめて、二人にギッ!と睨まれた。


「誰が〇貞ですか!!僕はただそういった行為にこれまで興味がなかっただけです!!それに、僕の初めてはきっと彼女のためにとってあったに違いありません!僕は黄瀬くんや青峰くんみたいな無節操じゃありませんから!」
「はぁ!?んだよ!それ!?」
「それは聞き捨てならないっスよ、黒子っち!!俺だって、今はちゃんと彼女一筋っス!それに、これまでの経験を活かしまくって毎日アンアン言うくらい仲が良いんっスよ!もう彼女ってば俺に夢中なんスから!」


堂々と胸を張って僅かに自分視点から脚色した話をする黄瀬に、椅子で胡座をかいていた青峰も同意する。


「だよな!?俺だって今はアイツ以外抱いてねぇし、抱く気もねぇ!!それに、ヤろうと思えば毎日アイツをよがらせるなんて朝飯前だぜ?」


その言葉に、今度は緑間が顔を真っ赤にして二人を怒鳴り付けた。


「き、貴様らはもう少し言葉に慎みを持て!!ここには一応、桃井もいるんだぞ!?」
「…あ。ミドリンは気付いてくれてたんだ?私がいるの……アハハ…ありがとね?」


六公では無いものの、青峰に付き添って談話室に来ていた桃井は、特に誰かに構われることなく、チョコンと一人用の赤いソファに座っていた。

しかし、先程からの彼らのイタい会話に何かを諦めたような遠い瞳で、緑間からふられた話を乾いた声で受け流す。


…あまり関わりたくないのが、桃井の顔に如実に現れていた。


そして、赤司はそんなカオスと化した場の雰囲気を眺めながら「…確かに、この状態ではこれ以上の対談は難しそうだな」と、哀れみの言葉を漏らしてため息を吐き出した。





〜嫁対談…一時中断〜


《この話を執筆した時の各悪魔話の進行状況》

黒子→10ページ
黄瀬→5ページ
緑間→4ページ
青峰→10ページ
紫原→1ページ
赤司→17ページ
桃井→3ページ


…すみません…( ̄▽ ̄;)多分、続く。


《管理人の一言》
そして、拍手でコメント下さった方のご指摘で気付かされた事実があります……
そう……それは、黒子や緑間は紫原よりページ数が多いのに、未だにお相手の子と事に及んでいないということ!(笑)
紫原…おっとりしているのに、恐るべき手の早さ!!
そして、赤司様においてはメンバーの中で一番手が早い上に、子供までいる!!Σ(´□`;)
自分で書いてるくせに驚かされました!!
流石赤司様!ダントツ!!(笑)


 

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