キミのとなり(黒子)

□4.決戦の時
1ページ/2ページ

体育館に入るとさっきまでの雰囲気が一変した。

張りつめるような緊張感。
先輩や黒子くんたちの顔にさっきまでのにこやかな笑顔はない。

控室へ向かった彼らを見送って、私はリコさんと体育館に残り、試合の準備をする。
ジュースにタオル、スコアブック。そして頼まれていたはちみつレモン漬け。

「バニラシェイクちゃん、リラックス、リラックス!」
自分が緊張していることを表には出していないつもりだったのにリコさんは全部お見通しのようだった。
「私、こんな中でお役にたてることがあるんでしょうか?」
「確かに今日の練習試合はいつもとは少し違うわ。だからバニラシェイクちゃんが必要なのよ。たぶんみんな気を張り過ぎてると思うから、バニラシェイクちゃんの笑顔でリラックスさせてあげてね。」
リコさんにそんな風に言ってもらえるとなんだか元気が出てきた。
「はいっ!」
「うんっ、その笑顔!さぁ、みんな来たわよ。」

ユニフォームに着替えた彼らはまた一段と闘志を燃やしていた。
そしてリコさんが言っていたようにものすごい緊張感が伝わってきた。

「じゃぁ、アップを始めて。しっかり体、暖めておくのよ。」
「「「うっす。」」」

先に練習を始めていた海常チームに目を向ける。
黄瀬くんはさっきとは別人のような顔つきになっていた。
素人の私から見ても周りより群を抜いてバスケがうまいのはわかった。


黄瀬くんに勝てるのかな・・・・?ううん、みんなを信じなきゃ!!


そして、アップも終わりいよいよ試合時間か近づく。

「いい、みんな?今日はこの間の海常とは全く違うチームだと思って戦いなさい。そんで今回も勝つのよ!」
「「「おうっ!!!」」」
みんなの気持ちが一つになる。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ