☆月闇紅縁☆
□W
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店は魔法に関係のあるものを集めた雑貨屋さんだった。
「――此れ……は?」
「あぁ、これは東の島国特有の【刀】と言う剣を模して作られた短剣だよ、鍔は無いけどね」
「わぁ」
僕が惹かれたのは独特な形の短剣だった。
片方は斬れない様になってて、黒白と紫色しか色が無く珍しい。
鍔は無いが鞘が有り、その鞘には紫色の飾り布紐が巻かれていた。
しかも、ルーナの手に馴染む大きさだ。
短い【刀】だから、短刀……かな?
「おや、坊ちゃんも興味があるかい」
「…………」
ん? と思って振り返ると其処には男の子が居た。
黒いフード付きの赤い縁取りが入ったマントを羽織っていた。
ちらりと見えた髪と瞳は深い紅だった。
ここら辺では見ない色だな――。
バキッ
「……お前と店には興味はねぇ」
その声と雰囲気に気付いた時には、店主が倒れてしまった後だった。
「お前が、『ルーナ』だな?」