☆月闇紅縁☆

□X
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ガトンッ

「わぁ! 隠し部屋?」

「……地下通路だっつーの」

町の下に地下通路があったなんて驚きだ。僕が知らないことは多大にあるなぁ。


町のはずれの廃墟の隣の草むらに彼――あ。

「君ってさ、何て名前なの?」

彼だと何か違和感があるので、名前を聞いてみる。

そうしたら、彼は物凄く考えて、

「……アルマだ」

「そっか、宜しくね。アルマ!」

こいつは馬鹿だから名前教えても大丈夫だろうって感じが伝わって来るのが苛つくけど。

まぁ、普通は名前を(仕事上)教えたりしないだろうから、良いかな。

アルマは草むらに屈んだと思ったら、ある箇所をたたく。

ギッと音がしたと思ったら、ガトンッと開く様にして地下通路の扉が開いた。

慣れた様に地下通路に飛び降りる。「来い」と言われたから同じように飛び降りる。

「わー! すごいや!」

飛び降りた先の地下通路は、広大で見えないくらい先まで続いていた。

金属板で加工されている。こんなのが町の地下に在ったなんて知らなかった。

「…知らねぇってのは幸せだな」

「え」

気が付いたときには、もうアルマは結構先まで進んでいた。

「置いて行くなぁー!」

僕は急いで其れに付いて行った。
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